言葉

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      thank you伝道師 ポノですべー



    父のお見舞いに毎日通って、

   日増しに弱っていく姿を

   目の当たりにするにつけ…

   頑固親父だった頃の父が思いだされます。


    
    両親と疎遠にしていたけれど…

   思い出したことがありました。

   「このままでいいんだろうかはてなマーク


   わざと疎遠にしている私に、

   父はそれとなく誘ってきてくれました。

  
     「ご飯食べに行かないか?」

     「焼肉するから来い」



   そのたびに…

   どうして放って置いてくれないんだろうかと、

   不満を感じながら。

   いつか…心のどこかで後悔することを

   知っていたような気がします。



    そのときの私には、

   それでも素直になれない気持ちがあって、

   断ることが多かったんですねあせる

   このまま放って置いて欲しい。

   誘ってくれることで断る「罪悪感」は、

   心に積み重なっていくことだけは

   感じていたのです。

   
   遠くからでいい。

   遠くから、付かず離れずでいる方が、

   その方が、私の心の安寧だったから。


  
    もうすぐ春が来る。

   昨年、実家は引っ越しましたが、

   北海道の短い春桜…元の実家には大きな桜の木があって、

   花見を兼ねて、

   焼肉をしていました。


   いつしか…それに参加することも

   イヤイヤだった。。。


   何があってもキツイことは言わない…

   イラッムカムカとしても聞き流すんだ…


   そう自分に誓いを立てて実家に赴いた記憶。。。



     今なら分かります。



    こういう時間は…

   永遠にいつまでもできるわけじゃない。

   だからこそダッシュ

   今、この瞬間を大切にしなくちゃいけないんです。


   そこまで気づけるほど、

   私は理解していませんでしたし、

   感情が大きく私を支配してました。


   父の思いは…

   家族揃って過ごすことだったに違いない。

   いまさらですが、

   父の思いを無にしてしまったことが

   悔やまれてなりません。



    また花見したいね…桜


   その言葉を、心で伝えています。



   父は…言葉も「ん~」とか、

   時々、短い単語を発することしかできません。

  
   様子を見ながら、

   何か飲みたいのか、

   体のどこかが痛いのか、

   息が苦しいのかを想像しながら、

   マッサージをしたり、

   声をかけています。

 
    言いたいことを言えるということが、

   アタリマエのことであり、

   気持ちを伝えられることが

   どれだけ素晴らしいことかを、

   父の姿を見ながら、

   改めて感じています。。。


   声なき言葉を、いかにくみ取ってあげられるか?!

   それはナースとしても、

   家族として、人間同士として

   果てなき課題であり、大切なことだと。。。


    
    声なき声に耳を傾けて、

   父の心の声に寄り添って…

   
   父の胸に手を当てて、
 

     「ウン、大丈夫だよ!」

   声をかけると、

   父は頷いて、

   少し呼吸が楽になったように見える。


   手は魔法。

   
   看護は観察力と思いやりと魔法の手が必要なんですね。


   特別なことでもなんでもなく、

   家庭でもアタリマエにしていること…キラキラ


   
    家族で力を合わせて

   父の生き様をしっかと見つめていきたいと

   思っています。


   私は未熟者で…

   内心、父も母もず~っと存在してくれると

   どこかで思い込んでいました。



   いつか今生での別れのときは

   突然自分の身の上に訪れることを

   受け入れていませんでした。


   看護師として…何人もの患者さんを見送りながら、

   あくまで仕事として

   見ていたのです。


   家族のように患者さんを思いながら、

   根本的な部分では、

   身内ではないことに安堵していたかも知れない。


   言葉を発せられない患者さんとの出会いは、

   私に想像力と観察力を

   学ばせてくださいました。


   言葉が言えたなら、

   希望をできるだけ叶えることができるのに…汗



   分かってあげられないもどかしさを
 
   何度も感じていました。


    
    言葉が使える、気持ちを伝えられるのは、

   今だけなのかも知れないと思うと、

   もっと言葉を大切にしたいと

   痛切に感じます。


  
    アタリマエの幸せ…今一度、素晴らしいことだと

   考えてみてください。

   その言葉をグチや悪口で汚してしまっても

   いいでしょうか?


    言葉は相手に敬意を表し、

   真実を語るために使っていきたいですね。



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