今年イッパツ目のダルビッシュの投球、興奮させてくれましたね。
去年まではファイターズのコーチだったので、ダルの投球についてあまり触れないようにしていました。
今年は、解説者(新米ですが)なので、今回の投球について少し書いてみようと思います。

去年の開幕時と今回の投球で、決定的に違うところがありました。
配球の中で、軸にする球種です。
去年は2シームを軸に配球を組み立てようとしていたが、ダル本来の投球にマッチしませんでした。
今年は、カッター(日本で言う、カットボール)が、軸になっていました。
カッターをたくさん投げることによって、フォームが安定してきたように感じます。
去年の後半からカッターを多く使いだしたのだが、そのころから全ての球種とコントロールが安定してきました。
今回の投球でのスライダーやパワーカーブのキレを見ても、その効果は明らかです。(空振り三振のほとんどが、スライダーとパワーカーブだった)
当然、各球団に今回の投球のデータはまわります。
しかし、心配はいりません。
今のフォームで投げていれば、どんな配球にも対応できるはずです。
日本で投げていたころのように、その日の気分で決め球を変るってこともあるかもしれません。(それだけ、球種が多彩でレベルが高いということ)
ダルは、マウンドで楽しみながら打者と勝負しているのですね。
楽しみながらという意味で、今回も印象的なシーンがありました。
7回の投球です。
わしの目が間違っていなければ、この回、練習中のチェンジアップを2球、投げました。
スプリングトレーニングで、マダックスコーチの弟に教えてもらったチェンジアップです。(うらやましい)
パーフェクトゲーム中の後半7回に、未完成の球種を試すなんて、普通の投手じゃできません。
ダルは、練習の成果をはやく確かめたかったのでしょう。

今回は、もう少しでパーフェクトゲームというすばらしい投球でした。
しかし、わしの目には、もっともっとよくなるように見えました。
今後の登板も、目が離せません。
興奮と感動を与えてくれる投球を、幾度となく見せてくれることでしょう。

余談ですが、対戦チーム(アストロズ)のブルペンコーチ(東洋人のような顔をしたおっちゃん)、デニス・マルチネスは、エクスポズ時代、パーフェクトゲームを達成しています。
そのとき、母国であるニカラグアの大統領から祝福の電話があったらしい。
マルチネスを見つけたとき、これはパーフェクトゲームを暗示しているのかと思ったんやけどな。

北海道のみなさん、7日、ラジオの解説で札幌ドームに行きます。

ほな、また。


友達の作家、本城雅人さんが、ブログを始めたらしいです。

http://honjom.tumblr.com

本城さんには、今回の『投手論』で大変お世話になりました。
是非、のぞいてみてください。