自然は自己相似性の揺らぎに満ちている!【ゆらぎのサイエンス】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし
テーマ:執筆日記自然は自己相似性の揺らぎに満ちている!【ゆらぎのサイエンス】
今日は、意外にも、揺らぎと深く関わっていることが分かってきた自然界に満ちあふれる自己相似性の話。
雲の形は、雲の一部をいくら拡大しても、やっぱり雲の形に見えます。
木の枝分かれの場合も、枝分かれした先が、同じようにさらに枝分かれします。
このように、いくら拡大しても、元の図形と似たような形になることを、自己相似性といいます。
つまり、雲の形にも枝の形にも自己相似性が潜んでいるわけです。
このように、自然界は自己相似性だらけなんです。
私は、生まれてから雲を何度も何度も見上げてきましたが、一度として同じ雲の形が上空で再現されることはありません。
今、見ている雲の形は、これまで見たどの雲とも形が異なるはずです。
だから、空を見上げるたびに、毎回、新しい図形を見ているわけです。
でも、「やっぱり、これは雲なんだ」と自信を持って断言できます。
その根拠のひとつが、無意識のうちに脳が自己相似性のタイプを認識し、これまで雲を見た経験と照らしあわせて、雲でも矛盾はないだろうといった判断を下しているというわけです。
つまり、自己相似性は、脳の認識にとっても、とても重要なんです。
実は、この仕組が、風が強くなったり弱くなったり、あるいは、大きな波が押し寄せたり、小さな波が来たりといった揺らぎと、仕組みがまったく同じだということが分かってきました。
これについては、また別の機会に・・・。
詳しくは、5月17日に発売になった、
「世界は「ゆらぎ」でできている、宇宙・素粒子・人体の本質」(光文社新書)
の第4章をご参照ください。
よろしく!

