【セミナー】マザーハウスカレッジ 「若い力が日本の『伝統工芸』を『伝統産業』へ変える」 | THE ONE NIGHT STAND~NEVER END TOUR~

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「40歳からの〇〇学 ~いつまでアラフォーと言えるのか?な日々~」から改題。
書評ブログを装いながら、日々のよしなごとを、一話完結で積み重ねていくことを目指しています。

10月29日に、MOTHERHOUSE COLLEGE(マザーハウスカレッジ)に参加してきました。
マザーハウスの山崎副社長が主催されている勉強会です。ゲストへ山崎副社長がインタビューしていく形で進行していきます。定期的に開催されていて、現在は
シリーズ第4弾・「モノがあふれた時代のモノの買い方、売り方」
がテーマになっています。


今回はその第三回、「若い力が日本の『伝統工芸』を『伝統産業』へ変える」でした。
ゲストスピーカーは矢島里佳さん(株式会社和える代表取締役社長)。
(ざっくり言えば、「和える」は日本の伝統工芸を活かした子ども用品を扱っている会社です。詳しくはHPをご覧ください⇒ aeru HP )

まずなにより、矢島さんが1988年生まれだということに衝撃を受けました。26歳って、僕は社会人1年目だったわけです。何も考えてなかったですからね(苦笑)

起業にいたる経緯をお話しされていたのですが、けっして勢いだけでされたわけではない、深く考えて踏み切られたのだと感じました。

驚いたのは、起業にあたって周囲から
「もっと経験を積んでからでもいいのではないか」
と言われても決断した理由です。

「伝統技術の職人というのは、5年で基礎を固め、さらに5年でようやく一人前になれる(つまり10年かかる)。起業を考えた当時、職人さんたちの平均年齢が60歳だった。経験を積んでと言って、もし10年後に起業しようと思ったら、そのときには職人さんの平均年齢が70歳になっている。そうしたらもう次の世代に引き継げなくなるのではないか。すぐにやらないとダメだと思った」

という(ニュアンス)のことを話されました。

社会的な問題を自分事にここまで引きつけて考えるって、凄くないですか。しかもそのとき矢島さんは大学4年生ですよ。当然ですが、僕はそんなこと考えたことはなかったです。有利か不利かを考えたことはありますけどね(苦笑)

しかもこの考え方は、マクロな問題をすべて引き受けるという覚悟があると感じます。つまり、業界そのものを自分が変えてやろう、支えてやろう、という意思だと思うのです。マクロの問題を個人の問題として捉えるようとされている人は多いと思います。ただ一人でできることには限界がある、僕を含めその多くの人は
「自分ができることをやろう」
とまずは考えると思うのです。

それが悪いとは思わない。やらないよりやったほうがはるかに良いです。しかし、すべてを受けて止めようとする想いはやはり凄いを思わざるを得ません。

それは若さゆえの勢いだよ、という考えもあるでしょう。しかし、彼女の話を聞いていると、やってしまうのではないか、と思わされたのです。

それは、起業された後のお話しを聞いて感じました。情熱あふれる起業家という面だけでなく、冷静に計算をしている経営者の面もすでに持ち合わせていると思えたからです。話を聞きながら熱いハートをロジカルに説明して、人を動かしてものごとを進めていくのだろうな、と思いました。

個人的な直感ですが、昔に比べて最近の僕の直感は当たるようになったので(笑)きっとそうなるだろうと信じています。

現場の話の中で出てきた、後継者問題や補助金の問題、製品品質の問題など、僕が個人的に取り組んでいることとリンクしてとても勉強になったのですが、その点については、また別なところでまとめたいと思います。僕自身、まだ消化しきれていない部分が多くあるので。

最後に付け加えると、最近、年下の方から学ばせてもらったり刺激を受けたりすることが多いな、と思います。僕ら世代(バブル後期世代)も変に老成せず、負けないように頑張らなくては、と思いを新たにしています。

PS1
これも趣味の話だと言われるとそれまでですが、和えるのロゴはとても素敵だと思いました。
『赤い円は「古き良き先人の知恵」。七宝柄の円は「今を生きる私たちの感性や感覚」を表している』
ということです。
ロゴは、その会社のコンセプトをデザインで表すもので「○○らいい」「Like ○○」なものが求められると思うのですが、このデザインは「『和える』らしい」と僕には思えます。このデザインがいつか、誰が見ても「和える」のものだ認知される日がくるだろうと思っています。



PS2
矢島さん、あるいは和えるについてもっと知りたい方はこの本を読んでみてください。と言って、僕も読み始めたばかりですけど(読み終わったらブログに書きます)

和える-aeru- (伝統産業を子どもにつなぐ25歳女性起業家)/矢島里佳