Duo QuenArpa 公式ブログ(新)-サンテグジュペリ
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
(1900-1944)

「心で見なくちゃ ものごとは
よく見えないってことさ。
かんじんなことは目には見えないんだよ」
           (内藤濯・訳)

『星の王子さま』(サン=テグジュペリ作)に
出てくるキツネの名台詞のひとつとして
有名ですよね。これは先日
ダライ・ラマ14世法王がツイートした
相互依存の関係性からすべてが生まれる、
という意味のつぶやきと、
実は同じことを言っているのだと
気づきます。


「わたしたちは
他人に依存しながら生きる世界に
暮らしています。だから、
他人から必要されること(needs)を
無視しては、
自分の目標の達成を期待できません」
         (ダライ・ラマ)

$Duo QuenArpa 公式ブログ(新)-ダライ・ラマ14世
「相互依存の関係性からすべてが生まれる」

「わたしたちは
表面的な違いがあっても、
心の底ではみな同じように
平和と幸福を願っている
ということを忘れがちです」
        (ダライ・ラマ)


「相互依存の関係性」や「他人のニーズ」
あるいは
「心の底」とは、見えないものの典型です。
これは「感じる」(心の目で見る)しかない。

王子さまにとって自分の星のバラの花が
特別な存在であるのは、
バラが美しいからではありません。
王子さまとバラの関わり方(関係性)に
よるのです。
日頃わたしたちは、見ているもの、
聞こえてくる対象そのものに
価値を感じたり、またはその逆に
価値ないものと判断したりします。
しかしその対象や相手に価値を与え、
自分にとっての意味を生み出すのは、
自分の心ではないでしょうか。


「君がバラのために使った時間が
長ければ長いほど、バラは
君にとって大切な存在になるんだ」
        (浅岡夢二・訳)
「きみがバラのために費やした
時間の分だけ、
バラはきみにとって大事なんだ」
        (池澤夏樹・訳)
「あんたが、あんたのバラの花を
とても大切に思っているのはね、
そのバラの花のために、
時間をむだにしたからだよ」 
        (内藤濯・訳)

Duo QuenArpa 公式ブログ(新)-星の王子さま3種『星の王子さま』3種類

子育て中のお母さんとあかちゃんの
関係のようではありませんか。

泣いているあかちゃんは、
お母さんを困らせるのが
目的ではありません。
見えるのは泣き顔、聞こえるのは泣き声。
でも
心の目で見聞きすれば、
あかちゃんの気持ちが
わかります。
たいていのお母さんは、
わが子の気持ちを
汲むのが実に上手です。
あかちゃんはお母さんに依存して生き、
お母さんは
あかちゃんの笑顔に励まされて生きます。


あかちゃんの世話をしながら、
つまり時間を費やしながら、
相互依存の関係性を確認し、
互いに相手を愛する心を
養っていくのです。
母性愛、友情、愛情。
好みの対象さえあれば
いつでも十分にその気持ちを表現、
発揮できるというものではなく、
愛する心は、時間をかけて
育んでいくものなのでしょう。


「めんどうみた相手には、
いつまでも責任があるんだ」 
          (内藤濯・訳)
「飼いならしたものには、いつだって、
きみは責任がある。
きみは、きみのバラの花に責任がある」
          (池澤夏樹・訳)
「いったん誰かを飼いならしたら、
いつまでもその人との関係を
大切にしなくちゃ」 (浅岡夢二・訳)


1月18日に足立区で開催していただいた、
たかこ・やぎりんバンド♪の
朗読つきコンサート『かあさんの詩』で、
藤枝貴子さんが選んだ
『おかあさん』という詩を聴いていて、
ダライ・ラマのつぶやきと
『星の王子さま』の
キツネの台詞の共通性に気づきました。

お客様とわたしたち演奏家との
相互依存関係も
本質は同じなのでしょう。
お客様に長く「飼いならして」いただける
音楽を求めていきますドキドキ