FBというSNSの海の中で知り合った歌手、山崎小夜子

の歌を聴くために神戸の街に出かけて来ました。

震災の年の夏だったか秋だったか、、アチコチに躯体工事

の音が響いていた以来の神戸の街。

新幹線で朝8時40分の「のぞみ211号」で快適に東京駅を

出発する。






青空の快晴の中前日までの激務の為か車中ですっかり寝て

しまい、冬富士の美しい情景を見逃してしまいました、、。

やがて新幹線は新大阪駅に着き乗り換えて満員電車のな

か、聞き覚えのある尼崎、神戸、三宮、元町なんかに停車し

つつ進んで行く。

須磨に着いたら各駅に乗り換えなよ~という駅員の忠告を

実施して、今日の目的地「塩屋駅」を目指す。










駅のホームから須磨の海が見える・・

海の見える駅ってなんて素晴らしいのだろう。

ふと江ノ電を思い出しつつ塩屋駅に到着する。


駅裏の流行っていなそうな喫茶店に入り簡単な昼食を済ませ

、今日の目的地「旧グッゲンハイム邸」に向かう。

線路伝いに歩くこと5分少し小高い小道を分け昇ると、洋館の

洒落た邸宅が現れる。

神戸の異人館や長崎のグラバー邸にも似た素敵な建物、ここ

が地元の神戸を中心に歌手活動を繰り広げている歌手・山崎

小夜子の演奏会場である。













素敵な洋館造りの建物と受付の担当する女性の対応に

気分を良くしてコンサートの始まりを待つ。





いつもならあり得ない演奏会の初めに記念のショット。

余裕の表れかそれとも遠方から来た吾輩の為のサービス

だったのか、、。(笑)

関西在住の山崎さんとはFBで知り合いました。

コメント言葉は最初は標準語だったが最近はコテコテの

関西弁に代わってきた感じ。

でも音楽や歌に対する思いや取り組み方は昔のままの

ポジティヴなまま。

夏前の日に約束をしたこの演奏会に、無事に来れたことで

私の中も安堵の念がはしる。

今日が初めてお逢いする初対面でもあった。

あんなにFBではおしゃべりし合うのに挨拶の言葉は少なく

、握手する掌にも力強さが無かった。

でもそれが当たり前でこれから本番を迎える人に・・

そして彼女はおもむろにステージへと向かった。







予定した客席はすべて埋まり常連の方も多いのだろう~

エールの声も掛る。

アヴェマリアを始めに途中に自分のことを語りつつ、入念に

組み立てられたプログラムが進行してゆく。

楽曲によっては弾き語りで歌い他の方にピアノを任せて歌唱

に専念したり。

また演奏中の写真撮影は1曲目と2曲目との指定もあったり

なかなか工夫された演奏会である。


前半

アヴェ・マリア           歌
タイタニック            歌・ピアノ
 (シャンソン)失念        歌
愛の讃歌              歌・ピアノ
あなたが好きで          歌

  ~担当スタイリスト紹介コーナー


後半

マイ・ウェイ             歌
30年間を2時間半で        歌
竹田の子守唄           歌・ピアノ
四季の歌(jazzアレンジ)       ピアノ
オブリヴィオン(自作詞)     歌・ピアノ
ヨイトマケの唄   ~無伴奏  歌
エターナリー「ライムライト」   歌・ピアノ・オルゴール
家族写真              歌

アンコール
ムーン・リバー            歌・ピアノ

再アンコール
     (失念)


ピアノ伴奏者の名前を聞き漏らしました、、。
「家族写真」のピアノ伴奏の知人名も聞き漏らしました。
失礼しました。



以上はセットリストです。

プログラム表が無かったので聞き覚えです。

多岐に亘るジャンルから欲張っている内容が、この歌会の

ために長い準備期間を設けて打ち込んできた覚悟を感じる。

夏の前から一度私の歌を聴くならこの日の演奏会に来て~

と控え目な山崎さんがこだわっていたこの歌会。

シャンソンから自分で作詞を書いてのピアソラ、、森山良子

の歌が多いのも特徴的だ。

震災の後に森山良子が神戸にやって来て小学生の子供らに

オルゴールのプレゼントをされたとか。

その時の貰ったオルゴールを持参してのチャップリンの「エタ

ーナリー」を聴かせてくれた。

FBで聴いた事があるがやはりLIVEで聴くと感じ入るも

のがある。


この日の聴衆は何故か目を瞑って聴く人が多い。

自分の思い出と重ね合わせて聴いてるのかこの山崎小夜子

という歌手の辛い下積み生活や苦難の日々への共鳴なの

か、静かに静かに追憶の旅をしているかのようだ。

私が歌う曲は暗い歌が多いと笑わせる。

なんか山崎ハコを連想してしまった。

勿論同姓だからであり二人に何の関係もない。

クラシック音楽で鍛え上げられて来ているが、歌手としては

言霊というか詞の世界を大切にしているようだ。

メロディ・ラインから離れて詞を吟じるところも多かった。

今日の肝の歌と思われるピアソラの「オブリヴィオン」と、敢て

無伴奏の「ヨイトマケの唄」が歌われるとそれは最高潮に。

美輪明宏とは時代背景も違うし受け取る側も歳月が経った。

それでも装飾が変わっても歌のもたらす息吹きは変らずに届

いてゆくものなのだなぁと感じた。




これから始まる、、イントロがながれだして~


















2時間に亘った山崎小夜子の演奏会も終わった。

歌にMCにピアノ弾き語りに、、ソロ・コンサートを企画して

手作りの歌会も晴れやかに終わった。

夏の以前からこの日のコンサートを勧められて実際この目で

彼女の初めてのコンサートを聞くことが出来た。

塩屋という神戸の海辺の町の洋館には、今日のような青く澄

んだ清涼感が流れていた。

願わくば今後は地元だけで無く箱根の山を越えて、東京での

活動も増やしてほしいものだ。

介護などやいろんな問題があるではあろうが、昨今の企画物

や仕掛け物が多く幅を利かせている音楽界だが、媒体の大き

さやプロモーションの荷重によってスポットライトの明暗が決

る状況は、リスナーにとっても寂しいものである。

想像力の感性が強い人でなければ作れない歌がある。

幾多の経験を掻い潜ってる人でなければ歌えない唄がある。

ぜひ大きなフィールドで多くの人に届く歌手になってほしい。

そんな気持ちを抱きながら会場を後にした。

人々に囲まれて写真や挨拶に追われる彼女に挨拶らしい言

葉や感想も言えずに洋館を出たが、気持ちのいい海風と共に

歌っていた「家族写真」の歌のフレーズが浮かんできた。

今、目の前には落日前のキラキラ光る海が広がっている。







最後の挨拶をする山崎さん、ほっとした表情が浮かぶ・・


さて本当は一泊して神戸ルミナリエを見るとか神戸の夜景

を見て過ごしたいけれど、師走の月曜日に休める訳もなく

心を残して一路東京へ。

考えてみたら2時間のコンサートを含めて正味4時間の

滞在、、そして手荷物無しの搭乗手続き、、。(笑)

朝に新宿駅で買った東京新聞が掌にクルクル丸め込まれた

唯一の手荷物でした、、。








空港で聞くと残席2席というきわどさだった、、。




神戸の街よ、さようなら・・




カジュアルなスカイマークのCAの制服。



東京の灯~やっぱり飛行機は速い・・


掛け値なしに思う。

お金や時間に左右されない素敵なものがある。

山崎小夜子さん、次の第二楽章も楽しみにしているよ。