ROH:Supercard of HonorⅦ Part2 ~#Honor_Lives~ | コアドラのプロレス研究室

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カール・アンダーソン vs.ロデリック・ストロング
荒々しさの目立つ攻防。完成度の高い攻防を作るよりもスピードに乗せてラッシュを紡ぐ攻防です。攻防の意図がよくわからない箇所もありますが、二人の使う技の相性の良さもあり、一進一退で進めながらユニークなカウンターを見せている。タッグマッチで見られるような攻撃の連鎖を一人で行う濃厚なアクションを見せてきます。ハードヒットを混ぜてきたので、フィニッシュはもう一工夫欲しいものの、求めている次元には到達している。良質な試合です。



マット・テイヴェン(ch)(w/トゥルース・マルティニ) vs.アダム・コール vs.マット・ハーディ(w/スティーブ・コリノ) ROH TV王座3WAYエリミネーションマッチ
コールとハーディの遺恨を軸に試合は進んでいますが、セコンド陣が試合と関係ないところで出しゃばりすぎ。前半ははっきり言って手抜きです。
中盤からようやく試合らしく。3人が同時に機能するスポットを展開。セコンドの介入は引き続きですが、試合との関係性を切らないようにはしてますが、前半の失速を取り戻すまではいかず。


レッドラゴン(カイル・オライリー&ボビー・フィッシュ)(ch) vs.アメリカン・ウルヴズ(エディ・エドワーズ&デイビー・リチャーズ) ROHタッグ王座戦
互いのタッグワークを比較させる試合運び。久々のタッグ結成のウルヴズが健在だというのを見せる序盤から、レッドラゴンの勢いが反映される中盤。個々の力も高い次元でまとまっているので、中盤までの攻防は、タッグワークも基本に忠実なもので、個の力に依存する簡素なものになっています。
ウルヴズのダブルトペスイシーダを皮切りに、タッグムーブも高度なものに変化。4人の関係性が試合が進むごとに密接になり、シーソーゲームの体裁を崩さずに一度に二人を攻撃するムーブから、チェーン化された攻防までボリューム満点の終盤を彩りました。迫力十分、期待通りの好勝負。



ケビン・スティーン(ch) vs.ジェイ・ブリスコ ROH世界王座戦
ROHをよく知っているファンからしても、このカードで、一進一退の平衡が保たれた世界観が紡がれるとは誰も予想しなかったでしょう。
このカードが組まれるまでの背景も特殊です。S.C.U.Mの侵略、そのトップであるスティーンからベルトをROHに奪還するという至上命令。互いにセコンド不在のまま始まったものの、この日の4試合目でもあったように、乱入は十分に予期できる空間。普通に考えれば情動に訴える試合になりそうだと察しがつくでしょう。事実、両軍の乱入はあったわけですが。
乱入に行きつくまでの一進一退の攻防は緻密。ジェイは鋭い打撃を放ち、スティーンはもともと負傷を抱えていたジェイの左腕に狙いをつける。スティーンの腕攻めにもバリエーション豊かでした。基本に忠実な攻防を計算高く行うためには魅せ方や攻防が単調になってはいけません。ベーシックな攻防をテクニカルに見せた。この試合の根幹はとてもしっかりとしたものになっています。
申し分ない貯金を作ったうえでS.C.U.Mの乱入未遂から阻止のためにROH軍がリングを取り囲み、ジェイの王座奪還の機運を高める。軍勢の激突、そしてリングの二人の決着。希望と絶望を常に表裏一体で試合を紡ぐ素晴らしい内容です。
名勝負ではありませんが、素晴らしい雰囲気に彩られ、生まれるべくして生まれた好勝負が完成しました。





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試合結果
○カール・アンダーソン vs.ロデリック・ストロング

○マット・テイヴェン(ch)(w/トゥルース・マルティニ) vs.アダム・コール vs.マット・ハーディ(w/スティーブ・コリノ) ROH TV王座3WAYエリミネーションマッチ

レッドラゴン(○カイル・オライリー&ボビー・フィッシュ)(ch) vs.アメリカン・ウルヴズ(エディ・エドワーズ&デイビー・リチャーズ) ROHタッグ王座戦

ケビン・スティーン(ch) vs.○ジェイ・ブリスコ ROH世界王座戦 新王者誕生