古神道2 (仏教・盆踊り)/御来光・山岳信仰 | 獨と玖人の舌先三寸

古神道2 (仏教・盆踊り)/御来光・山岳信仰

仏教の“お盆”という慣わしにそのしきたりと形式を反映して、先祖崇拝は現代に生きています。寺院で僧侶が執り行うことと、その原因である神仏習合の影響により曖昧になっています。仏教は本来、輪廻転生し徳を積めば最後は開眼し仏となるという教えで、“特定される個人としての死”はないので先祖崇拝はありえません。
(10数年前に学んだ時、釈迦の教えを「死は無である」と某は捉えました。)

盂蘭盆会(うらぼんえ)は現在、正式な仏教行事となっており、これは釈迦を奉るものとも言えます。盂蘭盆経(うらぼんきょう。後世に中国で作られた偽経という説が強い)も施餓鬼会(せがきえ)も釈迦の口伝を唱えているのです。
宗教教育を廃止し、また無宗教化している現代において、“お盆は仏教行事”という認識に繋げているのは、単に、参るお墓が“お寺”にあるからに過ぎません。お寺・お盆・お彼岸・お墓参り、仏様、仏教と、連想されるのです。

※釈迦はイエスと同じく、“偶像崇拝”を否定しています。後進が意に反し造立してしまったのです。

(「お盆/お墓 (お盆休み、お中元、お墓参り)」参照→ http://ameblo.jp/emeth-spriggan/entry-10985280009.html)


※盆踊り――盆の時期に死者を供養するための行事とその踊りです。
平安時代、空也上人によって始められた念仏踊りが、盂蘭盆の行事と結びつき、精霊を迎える、死者を供養するための行事という意識に変化していったとされています。
室町時代初めに、太鼓などをたたいて踊るようになったといわれています。
初盆の供養が目的の盆踊りも、地域によっては催されているそうです。 太鼓と“口説き”と呼ばれる唄に合わせて踊ります。口説きは地区の伝統でもあり、初盆の家を各戸回って踊る所があるそうです。
以前は旧暦7月15日に行われていたため、盆踊りはいつも満月でした。

歴史的には村落社会において、娯楽と村の結束を強める機能的役割を果たしていました。そのため、各地にご当地音頭が多く存在し、自治体や商工会などが作成したオリジナルの地域的音頭は珍しくありません。
明治以前は、この行事は歌垣などの風習に結びついていました。


※仏教では、世界の中心には須弥山(しゅみせん)という高い山がそびえていると考えられています。空海が高野山を、最澄が比叡山を開くなど、山への畏敬の念はとても深く存在しました。平地にあっても寺院が“●●山――寺”と号する理由です。
チベット仏教でも聖なる山は信仰の対象ですが、信仰は山自体に捧げられ、その山に登るのは禁忌とされる事がほとんどです。
一方で日本人は、山頂に達することを重要視します。山自体を信仰する気持ちはもちろんですが、そこから早朝に望む御来光を非常に尊ぶ傾向にあります。山頂のさらにその先にあるもの(彼方・彼岸)を信仰していたためで、日本独自のアニミズムとしての太陽信仰と山岳信仰が結びついているのです。
そして時代が下ると、密教、道教の流れをくんだ修験者や山伏たちが俗世との関わりを絶ち、悟りを開くために山深くに入り修行を行うようになりました。これが後に、修験道や呪術的宗教などを生み出したのです。


※関連「お盆/お墓 (お盆休み、お中元、お墓参り)」→ http://ameblo.jp/emeth-spriggan/entry-10985280009.html