坂本冬美といえば、


演歌歌手でありながら
ポップス系の楽曲
「また君に恋してる」で注目され
新たな魅力に光があたりました。


と思われがちですが、


どんなジャンルの曲にも
最高の歌唱で対応できる
その実力は誰もが認めるところですし、


演歌歌手としてはずっと前から、
かなりのチャレンジャーでした。


1987(昭和62)年に「あばれ太鼓」で
デビューした1年後。


「祝い酒」をリリースした頃、

坂本冬美の才能を見抜いて
ポップスを歌わせたいと動いたのが
2009(平成21)年に亡くなった忌野清志郎。


1988(昭和63)年にリリースされた
RCサクセションのカヴァーアルバム
「COVERS」に収録されている


ジョニー・リヴァースの
「シークレット・エージェント・マン」という曲。


金賢姫をテーマにして
日本語歌詞つけられたこの曲を
忌野清志郎と歌っているのが坂本冬美。


デビュー1年目で
こぶしを回しながら
洋楽をカバァーしていました。


1991(平成3)年には
細野晴臣・忌野清志郎と坂本冬美
3人の頭文字をとったHISを結成。


アルバム「日本の人」発売されました。

シングルカットされた
「夜空の誓い」は
今聴いてもとても新鮮で
魅力的な楽曲です。



さて、前置きが長くなりましたが
取り上げたいのは
坂本冬美の2月に発売された新曲


「花はただ咲く」です。


作詞を手掛けたのは、
人気テレビアニメ

「ちびまる子ちゃん」の
原作者、さくらももこ。


作曲は「THE BOOM」の宮沢和史。


もともと作曲家としても
さまざまなジャンルのアーティストへ
上質な曲を提供している宮沢和史ですが、


最近は石川さゆりへの提供曲など
演歌系の歌手に向けた曲づくりでも
注目されています。


今回はこの作詞作曲の二人も
コーラスで参加し、
ユニット名は
「宮沢」&「ももこ」で
坂本冬美 with M2 (エムツー)。


さくらももこは
CDジャケットのデザインも担当。


坂本冬美の衣装となる
着物のデザインも手掛けています。


日本テレビ「情報ライブミヤネ屋」の
1月から3月までの
エンディングテーマ曲に
使用されました。


曲はラテンのリズムにのった
アップテンポの
ノリのいい曲。


しかも詞には心に響く
テーマが。


春夏秋冬と季節が移り変わり、
いろんなできごとがあっても、
変わらないものは愛。


そして花は毎年変わらず、
ただひたすら咲く。


そんな普遍的なメッセージを
発信しています。


♪ 遠い日の未来と過去を
   この手のひらで そっとそっとつなごう


このフレーズがいい。


さくらももこはこの詞を
7年ほど前に書いてあたためていましたが
その後宮沢氏に作曲を依頼。


でき上がった曲を聴いたさくらももこが
この曲を歌うのは
坂本冬美しかいないと思い
曲の入ったCDに手紙を添えて

坂本に届けました。


受け取った坂本冬美が
この曲を気に入って

レコーディングが実現しました。


最初はこの曲の心地よさに
惹かれますが、


聴けば聴くほど、歌えば歌うほど
この曲の奥の深さを知ることになります。


この曲に対する宮沢和史の

コメントに共感しました。


歌というのはCDになって発売される時は

まだ完成品ではなく、

人々の心にとまり、多くの方々に
歌っていただいて

育っていくものかもしれません。


私もその通りだと

常々思っています。



カップリングは
以前ご紹介した


三木たかしが生み出した曲を集めた
初のトリビュート・アルバム


「もしも明日が~三木たかしトリビュートアルバム」に収録された


「もしも明日が…。」。


その時の記事が こちら


1983(昭和58)年にリリースされた、
「欽ちゃんのどこまでやるの」の挿入歌
わらべの「もしも明日が…。」を
親友の藤あや子とのデュエットしています。


トリビュート・アルバムを聴いた人たちから
カラオケでぜひ歌ってみたいという声が多くあったため
カラオケ入りのシングルカットとなりました。


曲は知っていても
わらべのバージョンでは
ちょっと照れて歌いにくい。


そんなシニア層の女性同士
ぜひ、可愛らしく
歌っていただきたいと思います。