サンプリング マニュアル | 土壌調査プロジェクト・いわて

土壌調査プロジェクト・いわて

市民による、岩手県の土壌調査計画

原則として掘り返されて天地返しされてしまった畑地や水田の土壌を避け、公園や空き地、庭、草原、林、道路、川の土手や学校や保育園などの校庭、園庭などの土壌を採取する。(採取者の自宅や知人の庭等も)
ただし、放射性セシウムが濃縮されて遍在する傾向がある溝底の泥や雨樋の落ち口などのようなピンポイントの異常点を避けることにする。
空き地が私有地である場合には、各自所有者の許可を得て採取して下さい。
※学校や施設の校庭等は各自学施設側に許可を得て採取して下さい。


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サンプリング日の決定


サンプリングは、数日間雨が降らなかった日に行います。土壌にたくさん水分が含まれていると、分析に誤差が生じやすいからです。野帳には、サンプリングした月日と、当日の天候、過去数日間の降水の状況を記録します。

少量の雨なら大丈夫です。迷った時は、スコップで穴を掘ってみて、水が浸みこんだ層が1センチ以内ならサンプリングしましょう。)

 

指キラキラワンポイントアドバイス
※土がしめっている場合は、サンプリング後に乾かしてから袋に入れればOK。ですが、移し替える作業などが危険を伴う場合もあるので、あまりおすすめいたしません。
※一過性の雨だったり、晴天ですぐ干上がったりしている場合は採取OKです。臨機応変に状況判断を。

2 サンプリング地点の決定と空間線量の測定

※採取協力が出来る方で、線量計をお持ちでない方はお問い合わせ下さい。

比較的安価な空間線量計(数万円程度も可)によって、測定したい地域で比較的高い値を示す場所を探してください。場所が決まったら、同じ測定機で、 丁寧な測定を行ってください。測定するのは、地面からの高さ1mと、5cmの両方です。1分間の測定を3回ずつ行って、その平均値とともに、野帳に記録し ます。ついでに、測定機の機種名もできるだけ詳しく(機種名や型式番号、GM管式かシンチレーション式か、製造国など)記入します。

5cmで測定するために、幅5cmのボール紙を丸めて、テープで留めた台を制作してください。ガムテープの芯がちょうど5cmなのでそれを使うのもいいでしょう。1mは、先端に重りをつけた1mのひもを準備してください。


指キラキラワンポイントアドバイス
※測定地点は雨どいの下などは避けて高い場所を探して下さい。
※5センチの台は、ガムテープの芯が丁度良いです。ガムテの芯に紐をくくりつけて、1Mの高さに目印を付けた物を使えば、ひもと台のセットができます。

3 サンプリング地点の記録

サンプリング地点の住所を野帳に記録するとともに、適当な地点名を決めて記入し、付近の略図を書いてください。地点番号は、事務局で記載します。住 所がわからなければ、後でもう一度同じ場所に来れるように、詳しいメモをしましょう。GPSをお持ちの場合は、北緯(N)と東経(E)を0.1秒の単位ま で、記入してください。写真も撮っておきましょう。(野帳に添付して、放射能測定センターにサンプルとともに送ってください)

サンプリング地点の土地の種別について、該当するものを丸で囲んでください。同時に、周辺の環境に関するメモをしてください。草原や林の状況とか、近くに山が迫っているとか、気が付いたことを何でも記録しましょう。

さらに、地図(例えば、国土地理院の2万5千分の1地図)に、サンプリング地点を書き込んでください。


サンプリング地点の様子を画像に納め、ファイル名を上記で決めた地点名と同じくし、メールに「土壌採取地点画像」等のタイトルで添付して送って下さい。出力したものを野帳に添付できれば尚良。)

★採取地点画層専用メールアドレス dozyotyosa@gmail.com


指キラキラワンポイントアドバイス
※GPSはスマートホンのコンパスアプリが便利です。
※奥州しの場合マップや野帳等の資料や、いくらかのサンプリングツールを予め用意していますので、お問い合わせ下さい。
※写真を撮る際には、地名等を書いた紙を一緒に撮っていただけると、分かりやすいです。

サンプリング

 地面にスコップまたはシャベルで、深さ5cm、約20cm角の穴を掘ります。地面が固い時は、足をかけて掘る中型の剣先シャベルが有効です。この時掘った土はサンプルにしませんので、埋め戻し用に脇にのけておいてください。

土の断面に定規を当てて(または、移植ゴテについた目盛をあてて)、0-5cm層を、スコップで横方向へ掘り進み、その土をやや大きめの無色透明なビニル袋(※袋1)に入れます。弁当箱のように厚さ5センチの板状に土を採取します。崩れたかけらも丁寧にすくい取ります。

サ ンプルは1.5~1.8kg採取します。2Lのペットボトルに水を入れたものを持参して、それと同じくらいの重さまで土壌を採取します。数mm以上の石や 木片、植物の根などは手で除去します。少々の草が混入しても構いませんので、そのまま入れてください。落ち葉などもそのまま入れます(周りからかき集めて はいけません)。

採り終わったら、ビニル袋の上からサンプルを叩いたり揉んだりしてサンプルを粉々にして、良く混合します(この時ビニル袋に穴が開いたり破れたりするかもしれませんが平気です)。

サンプルが均等に混じったところで、中身を厚手のビニル袋に移して輪ゴムで閉じます。(※袋2)サンプルを砕くのに用いたビニル袋と使い捨てポリ手袋は1回ごとにごみ袋に捨てます。

(※2Kまで計測できるスケールを使う場合はペットボトルは不要です。)

指キラキラワンポイントアドバイス
※もみほぐしをしっかり行って下さい。
※石などは丁寧に取り除いて下さい。
※厚手の袋は8ミクロン程度が良いです。

用具の洗浄、サンプルの養生。

サンプリングが終わったら、手を洗いましょう。(又は、使った手袋をはずして、他のサンプルを汚染しないようにごみ用ビニル袋に入れます。)

サンプルが入ったビニル袋は、さらに汚れていない別のビニル袋(丈夫でチェック付の冷凍食品用などがベター)に入れて2重にしてください。(※袋3)1重目と2重目の間に、地点名や採取者氏名、年月日を記入した伝票を同封してください。さらに、2重目のビニル袋には、マジックインキで、地点名を書き込んでください。

サンプリングに用いたスコップやシャベルは、水道水や河川水で洗ってください。次のサンプリング地点に向かう前に、この洗浄操作を必ず行ってください。前のサンプリング地点の汚染土を、次のサンプリング地点に持ち込まない、次のサンプルを汚染しないための操作です。

掘った穴は、埋め戻しておきましょう。


指キラキラワンポイントアドバイス
※二重目の袋はジップロックがおすすめです。
※水道のない場所でのサンプリングのために、ウェットティッシュやスプレーボトルがあると便利です。

サンプリング道具リスト

地図、画板(A4の用箋バサミなど)、野帳、伝票、サンプリングマニュアル、筆記具、マジックインク、空間線量計、スコップ(移植ごて:1cmごと に目盛が付いているものが便利)、足をかけて掘ることが出来る中型以上の剣先シャベル、やや大きめのビニル袋(例えば、0.03 x 260 x 380mm)、厚手のビニル袋(例えば0.08 x 200x 300mm)、大き目のチャック付ビニル袋(例えば、0.068 x 270 x 280   mm)、定規(10~15cm)、軍手、カメラ、GPS(調達できれば)、1mの重り付ヒモとボール紙の5cm台、キッチンスケール(2kg)または水を 入れたペットボトル(500mLを3個、または2Lを1個)、使い捨て薄手ポリ手袋、輪ゴム、大型ビニル袋(道具入れ及びゴミ袋)、サンプルを入れる段 ボールなど、道具をサンプリング現場に運ぶ籠(スーパーの買い物カゴなどまたはコンテナなど)、カメラ、磁石(略図に方位を書いてください)



指キラキラワンポイントアドバイス
画像付きの土壌採取解説(pdf)がありますので、是非ダウンロードして下さい!
こちらよりお願いします。
※10~15センチの定規は土を掘る際の厚さを測るために使用します。移植ベラに定規がついているものがあります。
※厚手の袋は8ミクロン程度が良いです。

※サンプリングの際に使用する野帳はこちらからダウンロードして使用してください。

サンプリングのポイントをツイートしていますので、ご覧下さい。
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