鳥インフルエンザの脅威は2つのトゲで決まる!(FM「Oh!Happy Morning」) | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

鳥インフルエンザの脅威は2つのトゲで決まる!(FM「Oh!Happy Morning」)

鳥インフルエンザの脅威は2つのトゲで決まる!(FM「Oh!Happy Morning」)

今朝、FM「Oh!Happy Morning」で話したことを、少しだけ復習!

今回の鳥インフルエンザは、「H7N9型」



この怖さは「H7N9型」という数字に集約されている。




インフルエンザは、HとNの2つの型で分類する。



インフルエンザの表面にはトゲのようなものが生えている。

H(ヘマグルチニン)というトゲと、N(ノイラミニダーゼ)というトゲの2種類。


インフルエンザウイルスは、
Hのトゲで人間に感染し、100万倍くらいに増えて、Nのトゲで人間の細胞から出て行く。

だったら、
Nは、どうでもいい気がするかもしれないが、そうじゃない。

100万倍に増えても、細胞から出て行かなければ、それ以上、細胞の感染は広がらない。


実際、特効薬のタミフルもリレンザも、Nのトゲを働かさない薬。

これが効くんだから、Nも重要だというのがお分かりいただける思う。




それぞれHのトゲとNのトゲには、いくつかのタイプがある。



H16種類、N9種類。



Aソ連型」はH1N1、「A香港型」はH3N2



 



逆に、人間の免疫力は、このトゲをターゲットにしてウイルスをやっつける。



「H7N9型」は、今まで、鳥には感染しても、人間には感染できなかった。



だが、今回、ちょっとだけ遺伝子が変わって感染できるようになった。



人体の免疫は、「H7N9型」にかかった経験がないから、対抗できない。



だから、重症化してしぼうしてしまう。



 



4年前、豚からやってきた当時、新型インフルエンザと呼ばれていた病気が大流行した。



これは、「Aソ連型」と同じH1N1



つまり、ちょっと変わってしまっただけで、本当の意味で新型インフルエンザじゃなかった。



だから、それほど重症化しなかった。



 



今回の鳥インフルエンザは、まったく新しい「H7N9型」



人間に感染するようになったとはいえ、まだ感染力は低い。



だが、いったん感染すると重症化するので、注意は必要。



 



でも、本当に心配なのは、今回の「H7N9型」ではなく、「H5N1型」。



これは強毒性。



今までのインフルエンザの歴史をみれば、いつか分からないが、必ず、パンデミックがやってくるはず。

そのときは、たぶん、ものすごい数の死者がでると思う。



薬の備蓄などは、国がしっかりとやっておくべき。