北朝鮮ミサイルの毒性を元素で読み解く!(その4)【最新ニュースを元素で解説!】
北朝鮮がロケットを打ち上げた。
修理のために発射台から取り外されたという情報が流れていただけに、第1報を聞いたときは、誤報だと思った。
まったく虚をつかれ、日本はあざ笑われているようで腹立たしい。
ミサイルの燃料のヒドラジン(正確には、非対称性ジメチルヒドラジン)は毒物であることは、先週、しょうかいしたが、今回は、その続き。
私のホームページに質問をいただいた。
http://www.doctor-yoshida.net/
質問:日本の人工衛星も、毒ガスで打ち上げてるのでしょうか?
吉田たかよしの回答
質問、ありがとう。
(念のため、お名前は伏せておきましたが、よろしければお名前かペンネームを出しますので、ご連絡ください)
日本のH-ⅡAロケット、ヨーロッパのアリアンロケット、あるいは、アメリカのかつてのスペースシャトル。
ヒドラジンなんて使っていない。
液体水素を使用している。
何といっても、水素と酸素の反応は、福島原発の外壁を破壊するくらいだ。
ヒドラジンより、推進力が大きいので、ロケットを遠くまで飛ばせる。
しかも、水素は燃えれば、水が出来るだけなので、ものすごくクリーン。
じゃあ、なんで北朝鮮が液体水素を使わないかというと、仮に1気圧だと、氷点下235度にしないと、液体にならない。
保存に高い技術が必要。
北朝鮮の技術では無理。
この点、ヒドラジンは、常温で保存でき、しかも、2つの窒素原子の結合が不安定で、爆発的な反応を起こす。
だから、北朝鮮が使っているわけ。
元素周期表と元素の毒性との関係について、「元素周期表で世界はすべて読み解ける」(光文社新書)の第7章で詳しく解説しているので、こちらをご参照ください。