松下幸之助[一日一話]

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1月19日
人情の機微を知る

 人間の心というものは、なかなか理屈では割り切れない。理論的にはこうしたらいい、と考えられても、人心はむしろその反対に動くということもあろう。一面まことに厄介といえば厄介だが、しかし、やはりある種の方向というか、法則的なものがあるとも考えられる。そうしたものを、ある程度体得できるということが、人情の機微を知るということになるのだと思う。

 では、人情の機微を知るにはどうしたらいいか。それはやはり、いろいろな体験を通じて、多くの人びととふれあうことである。そうした体験に立ちつつ、常に素直な目で人間というものを見、その心の動きを知るということが大切だと思う。
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