「100ベクレルの大豆が出荷へ」厚労省日報ダイジェスト福島県版687報 | フクシマンの福島リポート(郡山市)

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3.11以降放射能に汚染され福島は変わってしまいました。子供は自然で遊ぶことで成長してゆきますが原発は子供達から泥んこになって遊ぶ機会を奪ったのです。子供達に何がしてあげられるのか?もっと考えるために、福島を生きる、フクシマンが福島の今をリポートします。

平成25年7月19日(金)。
この日は

大豆の出荷制限地区に指定されていた、

福島市の旧野田村・旧平野村・旧立子山村・旧佐倉村・旧水俣村・旧庭塚村の、

大豆161袋

の放射性セシウムの全袋検査が行われ、

食品の基準値(100 Bq/kg)

を超えたものが、

7点ありました。

(最大値170 Bq/kg)
(全体の4%)


基準値を超えた大豆は、
福島市が処分しますが、

基準値を下回った

154袋は、

政府の新方針により出荷できることになりました。


※1 政府の新方針について知りたい方は、
末尾をご覧ください。


出荷可能になった154袋のうち、

148袋より、

4~100 Bq/kg

の検出が報告されているので、

最大100Bq/kg

の大豆が出荷可能となりました。


※1 100Bq/kgなのに何故基準値以下なの?
という疑問については末尾をご覧ください



出荷可能な154袋の検査の内訳をみてみると、


50~100 Bq/kg以上 12点
(全体の7%)

25~50Bq/kg 9点
(全体の6%)

10~25Bq/kg 73点
(全体の20%)

1~10 Bq/kg 53点
(全体の33%)

検出下限値以下 7点
(全体の4%)
(<Ge7.2~8.8 Bq/kg以下)

となっていましたので、

今回出荷される大豆には、

14袋に1袋の確率で、

50Bq/kg以上

の放射性セシウムが含まれていることになります。


※ただし、この数値は、
出荷制限地区の傾向であり、
福島県全体の大豆の傾向を、
あらわすものではありません



大豆はりんごの 160倍、
セシウムを吸収しやすいと言われており、
(放射線医学総合研究所の調査結果より引用)
事故から2年以上が過ぎた今でも、
(出荷制限地区の大豆からは)
高いレベルの放射性セシウムが検出されています。

また大豆は、
プルトニウム241が崩壊してできる、
アメリシウム241も取り込みやすいと言われています。

行政は、プルトニウムや放射性ストロンチウムの大気中の放出量は
非常に微量なので、
プルトニウムやストロンチウムのことは心配ない
と言っていますが、

実際に各食品の数値を測って見なければ、
安心できない市民の人は沢山いると思います。


福島県飯舘村と浪江町の森林の落ち葉や、
Jヴィレッジ(広野町など)の土から、
プルトニウム241が検出されていることもありますので、

行政は、各食品ごとの
プルトニウム・ストロンチウムの検査もしっかりと行い

市民に「判断する材料」を、きちんと与えてほしいと思います。



※2 検出されたプルトニウム241の
濃度について知りたい方は、
末尾をご覧ください。



また、
野菜類23品目117点
(カボチャ・タマネギ・トウモロコシ・ニラ・トマト・ミニトマト・クウシンサイ・キュウリ・サヤインゲン・ニンジン・シシトウガラシ・オクラ・セルリー・エダマメ・ツルムラサキ・トウガラシ・ナス・ミズナ・アスパラガス・ピーマン・オオバ・バレイショ・ニガウリ)
(中通り・浜通り地方)

の放射性セシウムの検査結果の発表が行われ、

3点より、

以下の検出の報告がありました。


かぼちゃ7.3Bq/kg
(須賀川市)

えだまめ4.6 Bq/kg
(南相馬市)

バレイショ 3.9 Bq/kg
(金山町)



また、


果実類3品目17点
(ブルーベリー6点・モモ4点・スモモ7点)
(県内全域)

の放射性セシウムの検査結果の発表が行われ、

2点より、

以下の検出の報告がありました。


ブルーベリー 19Bq/kg
(新地町)

ブルーベリー13Bq/kg
(鏡石町)



その他には、

キノコ類5品目5点
(菌床しいたけ・原木しいたけ・菌床なめこ・菌床きくらげ・菌床たもぎたけ)
(県内全域)

の放射性セシウムの検査結果の発表が行われ、1点より


4.7Bq/kg
(菌床ナメコ)
(新地町)

の検出の報告がありました。





最後に、以下の食品は、

検出下限値以下

(<Ge4.8~20Bq/kg以下)

でした。


牛肉22点
(中通り・会津地方)

鶏卵12点
(県内全域)

小麦1点
(二本松市)

キノコ類4品目4点
(県内全域)

果実類3品目15点
(県内全域)

野菜類23品目114点
(中通り・浜通り地方)


※1 「政府の新方針」について

これまでは、
一カ所でも基準値を超えれば、
(福島県の場合)
旧市町村単位で出荷を止めるのが原則でしたが、

政府は、
今後は地域全体の大豆を出荷停止するのではなく、
(全袋検査を行うことを条件に)
基準値以下のものは出荷を認めることとしました。

また政府は米についても、
(今年度産から)
同様の弾力運用を行うことを決定しており、
実質的に、
食品の放射能規制が
緩められはじめていることが、
気になります。

大豆の測定結果からもわかる通り、
基準値を超える作物が収穫される地域は、
全体的に高い放射性濃度が検出される傾向があります。

地域全体を出荷制限する方法は、
(食品からの内部被ばくを下げる)
非常に有効な対策であったと思われるので、
規制は緩めないでほしいと思います。

低線量被ばくによる健康被害については、
実際は何が起こるかわからないというのが、
現在の科学的知見だと思いますので、
政府には、
予防原則に立った運用を、
行ってもらいたいと思います。



※2 「100Bq/kgなのに基準値以下じゃない?」理由について

厚生省の通知により、食品基準値の運用は、
(3桁目を)四捨五入する形行われています。
具体的には、数値が
105 Bq/kg未満
のものは、(四捨五入され)基準値以下となってしまいます。
これは市民の感覚からすると、
非常に分かりにくいルールです。
厚生省は、
市民の感覚で、ルール作りを行なってほしいです。


※3 「プルトニウム241の濃度」について

過去に行われた大気圏内核実験の影響により
国内で検出されるプルトニウム241よりも高いものの、
半減期が短く、1960年代当時に核実験で飛来した濃度よりは
低いレベルと発表されています。
(共同通信記事より引用 
http://www.47news.jp/47topics/e/226454.php)



※ダイジェストの詳細に関しては、
厚労省の
「食品中の放射性物質の検査結果について」
を参照してみてください。

参照:
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000036y7k.html



Ge
ゲルマニウム半導体検出器を用いた
核種分析法の略



※厚労省日報ダイジェスト(福島県版)
について・・・

世田谷子ども守る会のマダムトモコさんが、
厚労省日報ダイジェストを作成してくれています。

http://setagaya-kodomomamoru.jimdo.com/

トモコさんは福島県以外の都道府県のデーターを
ダイジェストにしてくれているので、
福島県のデーターもダイジェストにしてみたいと思い、
「厚労省日報食品モニタリングダイジェスト・福島県版」
を作成しています。


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(リポート 福島県郡山市 フクシマン・マサ)