68回目終戦記念日 全国戦没者追悼式 首相「不戦の誓い」触れず
2013年8月15日 13時56分
全国戦没者追悼式で黙とうされる天皇、皇后両陛下=15日正午、東京都千代田区の日本武道館で(北村彰撮影) |
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六十八回目の終戦記念日を迎えた十五日、政府主催の全国戦没者追悼式が日本武道館(東京都千代田区)で開かれた。天皇、皇后両陛下をはじめ、遺族 約四千八百人、安倍晋三首相らが参列し、戦争で犠牲となった約三百十万人の冥福を祈るとともに、平和への誓いを新たにした。安倍首相は式辞で「世界の恒久 平和に、能(あた)うる限り貢献する」と決意を述べたが、近年の歴代首相が表明していたアジア諸国に対する加害と反省や「不戦の誓い」には触れなかった。
追悼式には、衆参両院議長や最高裁長官、各界代表も参列した。
式典は正午前に始まり、国歌斉唱の後、安倍首相は「歴史に対して謙虚に向き合い、学ぶべき教訓を深く胸に刻みつつ、希望に満ちた国の未来を切り開いていく」と式辞。
さらに「世界の恒久平和に能うる限り貢献し、万人が心豊かに暮らせる世を実現するよう全力を尽くす」と述べた。
正午の時報を合図に参列者全員が一分間の黙とうをささげ、戦死した軍人・軍属ら約二百三十万人、空襲や原爆などで亡くなった民間人の犠牲者約八十万人の冥福を祈った。
天皇陛下は「かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします」とお言葉を述べられた。
遺族代表として、奄美大島沖で夫が戦死した遠矢(とおや)みち子さん(92)=東京都練馬区=が「悲惨な戦争の教訓をしっかりと心に刻み、すべての人々が平和で心豊かな世界となるよう努力いたします」と追悼の辞を述べた。
参列した遺族最高齢者は、サイパン方面で夫が戦死した青柳よし乃(の)さん(99)=埼玉県宮代(みやしろ)町。最年少者は、旧ソ連アルタイ地方で曽祖父が抑留死した中島馨(けい)君(10)=横浜市。
遺族の高齢化が進んでおり、参列者のうち戦没者の子どもが全体の三分の二を占めた。父母の参列がないのは三年連続。妻は十六人と全体の0・3%で、四年連続で1%を切った。
(東京新聞)