自分も通ってきた道だからこそ良くわかりますが、
上達した時、それまでの「できない、弾けない」という苦悩から
抜け出せた!…と実感でき、心が軽くなります。
どうして?!…
先生に言われたことは毎日ちゃんとやっているのに、
何度も挑戦してるのにって、泣いたことは数知れず。
そのやるせない気持ちを、お母さんやきょうだいにぶつけてみたり。
それでもあきらめずに、前向きに練習に励んでいったなら、
必ず 「アレ?できたじゃん!」 という時がきます。
心折れても、途中で投げ出さずにしつこく練習すれば、
結果は出ます。誰にでも平等に。
ただし、やみくもに鍵盤をたたいても意味はありません。
適切な方法で順序良く、
かつ効率的に、練習を重ねていくことが一番重要です。
でもその結果が出るのはいつなのか、
どのくらい変化(良い意味でもそうでない意味でも)があるのかは、
誰にもわかりません。
良い結果が出たら、それはもう万々歳です。
ご本人もご家族の方も、そして私もみんなで喜び合います。
昨日レッスンに来られた、ごきょうだいの生徒さん。
小1の妹ちゃんSちゃんと、小4のお兄ちゃんSくんです。
(あら、お二人ともイニシャルにしたら”S”でした。)
発表会が終わって初めてのレッスン。
二人とも、それぞれの課題曲数曲を、
楽しそうにそして余裕を持って弾けました。
しかも、私からの「じゃあ、こんな風に弾いてみて~」
という、いきなりの振りにも即座に対応できました。
特に、お兄ちゃんは”脱力”や”ブレス”を意識するのが苦手でした。
そして、うまくできないと気持ちがシュンとして、
やる気もピアノもそこでストップしていました。
”やるなら完璧を”目指していたSくん。
でも、完璧はありえないと言ってもいいかも。
だからこそ、日々の練習が必要なのですが、ね。
でも彼は変りました。
自らの意思で、失敗してもあきらめないと決め、
私の提案をしっかりと心で受け止めて、
発表会まで、これでもかというほど練習しました。
そして、その音色が今劇的に変わったのです。
彼の表情を見ると、非常に落ち着いていて
それはまるで、何かを悟ったお坊さんのようでした。
音を紡ぎだす、その手・指・腕の動きは以前よりしなやかに。
なんと柔軟に対応できるようになったことでしょう。
しかも、夏休み前最後に学校で、みんなの前で、
発表会で弾いた2曲のうちの1曲を、
「弾きます!」と宣言して、披露したそうです。
発表会から2週間が経過していたので、お母さんは青ざめたとか。
でも、完璧にしかもカッコ良く弾けたと。
Sくん曰く、
「先生、あのね。クラスがすっごい盛り上がったよ!」
満面の笑みとともに、そう伝えてくれました。
…私も驚きました。彼のこの成長っぷりは、すごい。
音色が変わるとき、それは心が成長した時。
加えて、他の誰でもない自分の心が強くなった瞬間。
演奏にも自分という存在にも、
より自信が持てるようになり、より気持ちも晴れやかに!
Sくんも、それにSちゃんも。
…よかったね!二人とも、すごく上手になったよ♪
先生も本当に嬉しいです。
こんなすばらしい瞬間に立ち会うことができるから、
私は講師をやめられない。
実はこの生徒さんたちは、
半年ほど前に私の教室に移ってこられました。
ご家族で、私の指導に対して深く信頼してくださっています。
特にお母様は、いつも子供さんたちの教育に絶妙のアプローチで
力を注いでいらっしゃいます。
お子様たちに対し真剣に向き合い、
日々の練習という地味な作業をフォローし、
共に歩み、取り組んだ結果だと思います。
もちろん、より音楽を楽しむ気持ちと
そのための技術を手に入れたのは、ご本人のSくんです。
でも、その裏に隠されたご家族の限りない愛情が、
このような結果を生みだしたと、私はしみじみと感じています。
胸一杯になってしまって、言葉にならない気持ちを
なんとも表現できませんが…。
今はただただ、Sくん、Sちゃん、そしてお母様とお父様に
心から感謝申し上げます。
ありがとうございます。
ぽちっ!一日一回の1クリックで応援してね
↓ 全国の素晴らしい先生方のブログに出会えます
ブログランキングに参加しています
にほんブログ村
お問い合わせは、HPのお問い合わせフォームからどうぞ