「軍艦島入門」を購入しました。

発売日に欲しかったのですが、近隣地域の書店等では入荷しなかったのか
発見出来ず…取り寄せしようかと考えていた矢先に、出先の書店で確保。

これまで発行された、軍艦島に関する書籍と云うのは殆ど
「廃墟」である現在の光景を捉えたものや
現役当時の写真を使用した手記的なもの・写真集であったように思う。

それらも勿論素晴らしいものばかりなのですが、今回発売されたこの本は
軍艦島(端島)の誕生秘話、炭鉱や石炭に関する解説を始めとした
「見る本」ではなく「読む本」であると感じました。

第1章 黒ダイヤの島(基礎知識と軍艦島の歴史)
第2章 軍艦島 その特殊性(島の拡張・護岸の歴史、様々な国内初の試み)
第3章 軍艦島 驚きの暮らし(ライフライン、世界最高の人口密度、電化率等)
第4章 軍艦島のすごい建物(国内初の鉄筋コンクリートアパート等、間取り図)
第5章 軍艦島ミステリー(軍艦島都市伝説)
第6章 知られざる秘話(中ノ島との関係、戦争当時の話、遊郭等)
第7章 軍艦島、未来へ(軍艦島の魅力、廃墟・産業遺産、世界遺産へ向けて)
軍艦島へ行くために(軍艦島観光の現在)

写真や図面等も多く用いられ、文章を連ねるだけよりももっと読み解ける印象。
それらの配置も、とても見易く・理解し易いと、個人的には好印象でした!

「入門」と謳っていながらも、その内容はとても深い。
著者の黒沢氏はここまで充実した1冊の「入門書」として纏め上げるまで
どれだけの研究調査をなさったのだろうかと思うと…
自分なんて只のミーハーに過ぎないな(笑)と。まだまだ得られる事があると思うと、嬉しくなります(変態)

これまで疑問に思っていた事が何点かこの本のお陰で解決しました。
台風が直撃した時の、住人の様子。
そしてドルフィン桟橋以前の、船から島へ移る方法。
遊郭の存在。
中国人・朝鮮人の労働や島内における扱い。

まだ写真そのものが貴重な時代に、生活を写したスナップ的なものは
稀少だし知る術は無いのかなと思っていたのだけれど…。
炭鉱稼働時代の動画は流石に存在しないよなぁ…(´Д`)
(軍艦島ロケ地の映画作品はある)


取り敢えず…次回軍艦島上陸ツアーに参加するなら
ルートや内容を吟味した上で別会社のツアーを申し込みしようと
強く決心致しました(笑) もう今すぐにでも行きたいくらいですよ…(´・ω・`)

これまで軍艦島に興味を持ち、既に色々知っていると云う方にも
これから行ってみたいと興味を持っている人も
過去に軍艦島に住んでいた・炭鉱に従事していたと云う人も
是非手にしてみて頂きたい1冊です。


【実業之日本社】 http://www.j-n.co.jp/