人間は自然の一部~小出裕章さん | ふろむ・あーすのブログ
2013年06月20日 15時38分28秒

人間は自然の一部~小出裕章さん

テーマ:ブログ

人間は自然の一部
ECOLABOCAMP in Mt,TAKAO 2007年 (主催;虔十の会)から

2007年8月12日(日)、「高尾山にトンネル掘らないで」と言い続け、
さまざまなアクションを行っていた「虔十の会」のイベントに出店・参加したときの
チラシをずっと、大切に持っています。
京都大学の小出裕章先生と、その他大勢の一人として裏高尾のテントで、
酒宴に居合わせたことを感謝とともに懐かしく思い出します。
311以前より、小出先生もそうですが、
いろいろな方たちが、あらゆる手段で警笛をならしていたにもかかわらず、
最悪の事態が起こってしまいしました。
あっしーさん書き起こしの、小出裕章先生の言葉を、
改めて、みなさまとシェアしたいと思います。
原文を書き写しました(藤田 悦子)



ECOLABOCAMP in Mt. TAKAO   2007年8月12日(日)

「人間は自然の一部」
京都大学原子炉実験所 小出 裕章
(*;あっしーさん)

Ⅰ,罪深い人間
 地球は46億年前にできたと言われます。

その地球は宇宙の中で命が宿れる希有の星です。
その星も誕生当初は命が根付くには過酷すぎ、
数億年の歳月を経た後にようやく生命が生まれました。
以降、多くの生物種が生まれては絶滅する歴史をたどり、
人類と呼べる生物種が生まれたのは400万年ほど前です。

もし、46億年の地球の歴史を1年に縮めて考え、
地球が1月1日の午前0時に生まれたとすると、
その地球に人類が生まれたのは、
冬が過ぎ、春が過ぎ、夏が過ぎ、秋が過ぎ、
そしてまた冬になって、大晦日になった午後に過ぎません。

その人類も長い間、自然に寄り添うようにしてこの星で生きてきました。

その歴史が大転換したのは、
18世紀の末に産業革命が起きてからで、それ以降、人類は急速にエネルギー消費を拡大するようになりました。
産業革命以降のわずか200年の期間に人類が使ったエネルギーは、
400万年続いた人類の全歴史で使ったエネルギーの6割を超えています。
そのため、地球の生命環境は激変し、
膨大な生物種が絶滅に追い込まれるようになってしまいました。


Ⅱ.「先進国」か「後退国」か?

人類は地球の生命環境の破壊者で大変罪深い存在です。

しかし、「人類」のすべてに罪があるわけではありません。

この地球には現在65億の人々が生きていますが、
平均以上にエネルギーを消費しているのは、
全人口のわずか全人口の4分の1を占めるいわゆる「先進国」の人々です。

その4分の1の人々が現在の世界のエネルギー消費のうち7割以上を使ってしまいます。
残りの4分の3、つまり約50億人の人々は平均以下のエネルギーしか使えませんし、
11億人の人々は「絶対的な貧困」に喘いでいます。
そのうちの5億人はエネルギーを使えないどころか、飢餓に直面しています。
 
 私たちが住む日本はいわゆる「先進国」で、
幸か不幸か私たちはその国で暮らしています。

しかし、
人類の中でも多くの人々がエネルギーすら使えずに苦しんでいる中、
享楽的な生活を続け、
そして、地球の生命環境を破壊している私たちの生活は「先進」的でしょうか?
私たちの国は「先進国」なのでしょうか?

むしろ、私たちの生活は「後進」的ですし、
日本を含めた「先進国」は本当は「後進国」と呼ぶべきと私は思います。(続く)
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