聴いていて心地よい音楽って何だろう？
自分の心が一番喜びに満ちる瞬間って、どんな時だろう？
日ごろあまり外へ出ない私が、再びコンサートやリサイタルに
赴くようになったのは…一体何年ぶりでしょう。
心が解放される時…！
日々時間に追われる生活をしていると、心に余裕が無くなります。
心が疲れていることにさえ、気づかないでいることもあります。
それはやっぱり、どこかでその疲れを癒してあげなきゃ
いけないんだなと、今日はしみじみ思いました。
共に音を楽しみたいからこそ、音を通じて生徒さんと交流する。
音楽を生業にしている者としての誇りを感じてます。
音楽が大好きで、生徒さんとのレッスンが大好きで、
毎日本当に楽しいです。
もちろんそこには、
悲喜こもごものドラマがありますから、
「楽しい」の中には、苦しみも悲しみも含みます。
それがあるからこそ、本当の楽しみを知り、
更なる学びの意欲につなげることができ、
音楽を生涯の友としていけるのだと。
…などと、カタイことを言っていますが、
本日は心が癒され、喜びに満ちあふれた日となりました。
私の一番必要としている音がそこにはありました。
自分の耳が、その美しい響きをすべて吸収したがっているように
思えて…。
耳がと言うよりは心が、ですね。
ダイナミックなffも、透き通るppも、
調性の変化や奏法によって鮮やかに彩られる音色の違いも、
すべては私の目の前の奏者たちの手で紡ぎだされている…。
ピアノは弦楽器なのだとあらためて実感しました。
体中に沁み込んでいくあの感覚をふたたび得ることができ、
私は自分の心が満ち足りて行くのを感じました。
小倉貴久子さんと素敵な仲間たちによる、
第10回記念公演～クラヴィーアコンチェルト～A.サリエリ
東京オペラシティ・リサイタルホールにて。
お友達と一緒に二人で行きました。
小倉 貴久子（クラヴィーア）
桐山 建志、天野 寿彦、花崎 淳生、廣海 史帆（ヴァイオリン）
深沢 美奈（ヴィオラ）・花崎 薫（チェロ）
小室 昌広（コントラバス）
三宮 正満・森 綾香（オーボエ）
塚田 聡・大森 啓史（ホルン）
☆ピリオド楽器使用室内オーケストラ☆
A.サリエリ：
クラヴィーアコンチェルト 変ロ長調 ＊本邦初演＊
クラヴィーアソナタ ハ長調
W.A.モーツァルト：
メヌエット ヘ長調 K.4
サリエリの《ヴェネツィアの大市》の主題
「我がいとしのアドーネ」による６つの変奏曲 ト長調 K.180
クラヴィーアコンチェルト 変ロ長調 K.238
クラヴィーアコンチェルト 変ホ長調《ジュノム》K.27１
サリエリのコンチェルト変ロ短調は、本邦初演。
小倉さんはこの曲を演奏するにあたり、
ウィーンにいらっしゃるお弟子さんからサリエリの楽譜を送ってもらい、
それを小倉さん自らが写譜し、パート譜に起こされたそうです。
その響きは息をも呑むすばらしさでした。
サリエリの音楽家としての活躍、作品の奥深さに触れる
貴重な機会をいただきました。
フォルテピアノは、アントン・ヴァルター（1795年のレプリカ）。
先日も第一生命ホールで聴かせていただきましたが、
小規模の室内楽編成でのヴァルターの響きは、また格別でした。
なんとやわらかくて美しい音色でしょう。
弦の響きはもちろん、管楽器とのアンサンブルにも
すっと溶け込んでいくのはフォルテピアノだから。
そのフォルテピアノを演奏するのが小倉さんだから。
まるでヴァルター自身が意思を持って、
「私はこんな風に歌いたいのよ
」
と語りかけているようでした。
ヴァルターを通してサリエリとモーツァルトが、
会場に颯爽と登場したかのような…そんな錯覚さえ覚えました。
それにしても、小倉さんの集中力はハンパないです。
表現の幅も、音色の多彩さも、
言葉では到底そのすごさは表現できません。
約2時間半もの、夢の様なひととき。
小倉貴久子さま、ありがとうございました。
また、次回（第11回）も楽しみにしています！
それから一緒に行ったお友達との語りあいも、
忘れられないものとなりました。
このコンサートのすばらしさを語り合える友達。
心から通じ合える存在に出会えて、更に幸せです。
ぽちっ！一日一回の１クリックで応援してね 
↓ 全国の素晴らしい先生方のブログに出会えます
ブログランキングに参加しています
にほんブログ村
お問い合わせは、HP
のお問い合わせフォームからどうぞ