スウェーデンで若者ら暴動―背景に移民問題 | 一水会活動最新情報!

スウェーデンで若者ら暴動―背景に移民問題

スウェーデンの首都ストックホルム北部、移民が多く居住するヒュースビー地区にて、


19日夜、警察に抗議する若者達による暴動が発生しました。



今回の暴動の発端は、今月中旬、同地区で刃物を持った男性が警官に射殺されたことだとみられます。


その際、鎮圧にきた警官が「サル」、「ネズミ」などの言葉を使ったとされ、


同地区の若者達を中心に警察への怒りが爆発したとみられています。


19日夜に始まった暴動は、周辺地区にも拡大し、


地元の警察・消防によると、23日夜には少なくとも9台の車が放火され、


2つの学校と警察署でも火事が発生したとのことです。


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スウェーデン政府は移民・難民を積極的に受け入れており、様々な教育プログラムも提供しています。


しかし、多くの移民にとってスウェーデン語の習得や就職は大きな壁として立ちふさがっています。


移民の間ではこれに加えて人種差別や若年失業への不満が鬱積しており、


これらの事情が、今回暴動が拡大した背景にあると指摘されています。



「移民」と言われても、我が国では実感がわかないかもしれません。


しかし西欧諸国では、移民問題は選挙などで主要な争点となることが多く、


弊会と関係の深い欧州の民族主義政党は軒並み、移民受け入れの規制強化を求めています。


スウェーデンはこれまで、移民を積極的に受け入れる「寛容政策」で知られ、


多文化主義(異なる文化を持つ集団が対等に扱われるべきだとする考え)のモデルとされてきました。


しかし近年ではスウェーデン国民の反移民感情も高まっており、


今回の暴動はそんなスウェーデン社会のひずみを露呈させたと言えそうです。


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(写真は移民への経済的援助に反対する広告―スイス)


我々日本人は、今回の暴動をどうしても他人事としてのんびりと受けとめてしまいがちです。


しかし我が国の経団連は、少子高齢化に伴う人口減少対策として定住移民の受け入れを提言しており、


いずれは我が国もスウェーデンと同様、移民問題に直面する可能性が大いに考えられます。


「対岸の火事」とは考えず、我々も今からじっくりと移民問題について考えなければなりません(F)。


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■第138回一水会フォーラム


日時・平成25年6月10日(月)/18時30分開場・19時00分開会


演題・「昨今の経済動向の分析」


講師・植草一秀先生(経済評論家)


場所・ホテルサンルート高田馬場 3階会議室


会場整理費・2,000円(機関紙「レコンキスタ」最新号込み)