トライチのこと。 | まるこ☆の活動日記。

まるこ☆の活動日記。

被災動物に関わる日々の記録。

帰宅困難地区になりそうな
浪江町津島地区での活動がメインの
今日この頃。

先日、3月末に保護してきた
トライチと名付けた子が他界しました。
FIPでした。

保護後、多飲多尿が気になり、
腎臓か糖尿かなと
軽い気持ちで検査したところ、
FIP疑惑が浮上。

外注に出した検査結果で
確定となりました。

FIP。
まるこはこの病気を恐れていました。

こういった活動をしている者として
ある程度の知識はありました。
だから怖かった。

なにも有効な手立てがない。
その事が何より怖かった。


当初のトライチは
多飲多尿以外には特に変わったこともなく、
缶詰(ウェットフード全般)が大好きで、
よく食べ良いうんちをして
のんびり過ごしているように見えました。

もともと餌やりさんから
ゴハンをもらっていた子だけあって
(確認とれてます)、環境に慣れてからは
どんどん触らせてくれるようになり、

穏やかな 美しい黒トラの
それはそれは素敵な子でした。


FIPが確定してからも
落ち着いた状態は続いていて、
この穏やかな日々が
1日でも長く続くことを願っていました。

しかし6月に入ってから
少しずつ容態が悪くなり。

まず食欲が落ち、大好きな缶詰も
残すようになり始めました。

どんどんどんどん食べなくなり、
あれだけ多尿だったのが
少なく色も濃くなり、黄疸そして腹水。

もちろん獣医さんと相談して
対症療法は施していました。

治らないのは分かっているので、
その日まで少しでも苦しくないように。

自力で食べなくなってからは
流動食をシリンジで飲ませていましたが、
途中からすごく悩みました。

これは無理な延命に
繋がっているのではないか?と。

迷いながらも、
すんなり飲み込んでくれる間は
続けることにしました。

強制給餌をやめる時は
きっとトライチが教えてくれる。



ターミナルケアにあたり、
色々な考えがあると思います。

まるこは延命よりも
苦しさを出来るだけ無くすことを
最優先に考えます。
そのことで死期が早まろうとも。


毎日ひとつでも気持ち良いことを。

トライチはスリッカーで梳かされるのが
大好きだったので、
強制給餌の後はスリッカータイム。

とても気持ち良さそうに
目を細めて喉を鳴らしてくれてました。

毎日それが嬉しかった。


ある日
もういよいよ長くないと感じ、
他に何かしてあげられることは?と考え、
トライチのお部屋(ケージ)の
お引っ越しをしました。

横たわったままでも外が見えるように。
外の風を感じられるように。

元々は野山を自由に駆け回っていた子です。
なんでもっと早く思い付かなかったんだろう。


新しいお部屋を作っている間ずっと
トライチは作業の様子を見つめていました。

トライチ、と呼ぶと
喉を鳴らしてくれました。

出来上がったお部屋に移すと、
ず~っと外を眺めていました。
心地よい風が入ってきていました。



他の用事を済ませて
再びトライチの元に行ったら、
トライチは息をするのをやめていました。
外を眺めたまま旅立っていました。


不思議と涙は出ませんでした。
半ばまぶたを閉じて眠りについた姿に
安堵感すら覚えました。

最後のときが苦しみの中でなく良かった。


そしてその後
静かに涙しました。

トライチ。
とてもとても素敵な子。
大好きだった。
ありがとう。




トライチのターミナルケア中
仔猫たちから目が離せなかったときに、
率先して暖かくトライチのケアをしてくれた
うちの猫ボラ氏に心から感謝します。



☆まるこ☆



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