私、芸能ニュースはほとんど見ないし、興味もありません。
というか、芸能人の熱愛や破局をを必死に追いかけて公共の電波を
使う意味がよくわからないので、興味が持てません。
そういえばよく、わけのわからない会社から、「節税のためにマンションを・・・」とか
診療中に電話がかかってきてましたが、「興味がない」といっても切ってくれないですよね。
「興味云々の話ではなくて、確実にお役にたちますから、是非話を聞いて興味を持ってください」
てな言い方をする人もいましたね。
「お宅、演歌に興味ある?いい音楽だから是非聞いて興味持ってください、って
言われてどう思う?」 っていったら返事に困ってましたが、それでもしつこかった。
ちょうど抜歯の最中だったので、
「この電話の最中に患者の様態が急変して大事になったら責任取れる?」・・・で
話は終わりましたけど、どうかすると、脈がないと判断したら無言で電話切る輩もいますね。
自分からかけてきといて、勝手に自分から切るって、自分のことしか考えてませんね。
そんな営業は、もし成約が取れても、きっと自分の事しか考えてないから、
客の事は後回しにするでしょうね。
・・・芸能ニュースから話がそれてしまいました・・・。
書きたかったことは・・・
海外の某女優さんが乳がん予防の為に乳房を切除、というニュースが話題になってますね。
遺伝子検査の結果を受け乳房切除した方は、ごく少数ではあるけど
以前からいらっしゃったようです。
「予防措置の一つ」というフレーズを盛んに耳にしますが、
「予防」っていったいどういう意味なのでしょうか?
一応、医学においては次の3つに分けられております。
一次予防:疾病の発生を未然に防ぐ行為。健康増進と特異的予防に分かれる。健康増進には生活習慣の改善(生活環境改善、適切な食生活、運動・活動の励行、適正飲酒、禁煙、ストレス解消、
二次予防:重症化すると治療が困難または大きなコストのかかる疾患を早期に発見・処置する行為。早期発見と早期治療に分かれる。早期発見には健康診断(スクリーニング)、人間ドック、早期治療には臨床的治療がこれにあたる。
三次予防:重症化した疾患から社会復帰するための行為。機能低下防止、治療、リハビリテーションがこれに含まれる。
虫歯に例えて言うとすれば
・一次予防:ブラッシングや食事の改善、フッ素塗布やシーラント(予防填塞)
・二次予防:定期健診、学校検診、初期虫歯の再石灰化や初期の虫歯治療
・三次予防:神経を取ったり、差し歯をかぶせたり
・・・といったところでしょうか。
つまり、「三次予防=治療」ですね。
適切な治療によって、将来的に進行したり重症化するのを防ぐ、
という意味において、「適切な治療=予防」と言えそうです。
あくまで、「適切な」ですよ。
「テキトーな」治療は、予防どころか、長い目でみれば初見よりも悪くなりますから。
たぶん、某女優さんがなさった手術は、二次予防にあたるのかな?と思います。
遺伝的なリスクがあった、とのことで、一次予防で防げる可能性は低かった
のかもしれませんが、皆さんだったらどうなさいますか?
TVの街頭インタビューを見ていたら(結構TVみてますよね)
賛否両論あって、なるほど、と思いました。
どちらの意見でも構わないと思うのです。
自分なりにしっかりと考えたうえでなら。
ただ気になったのは、番組の司会者や出てくる乳がん専門の外科医が
「日本ではまだ認知度が低いため・・」という言い方をすること。
外国は進んでいるから、つまり、予防乳房切除は進んだ考え方だ、とも
取れるような発言をしていることです。
「へぇ、最先端なんだぁ! じゃぁ私も!」って安易な発想をする人は
こっちへ置いといて、なんとなくそっちへ誘導しているように思えてなりません。
「乳がんの闘病を見てきた」のか「乳がんの治療の副作用による闘病を見てきた」のか、
そこもはっきりしていないのに、37歳以降の人生に彼女はホントに納得
できるのだろうか、他人事ながら心配してしまいました。
しかし、折角大女優さんがセンセーショナルな話題をつくってくれたのですから、
世界中の女性、いや、女性だけでなく男性も、自分事として少し考えてみたいですね。
胃がんのリスクがあるから胃切除して再建すれば、安心の人生が待っているのか。
僕の父は、僕が28歳の時に胃癌と全身転移による静脈瘤破裂により
病院で失血死しました。
死に目には会えませんでした。その前5年以上にわたる闘病(?)の
姿と、母や祖父母の苦労と心配も見てきました。
最期に父が使っていたベッドのシーツはほぼ真っ赤な血に染まり、
病室からトイレへ続く廊下にも血まみれの体を引きずっていたであろう跡があり、
廊下の途中で力尽きたそうです。
そんな姿を思い出しても、僕は癌が怖い病気だとはどうしても思えません。
妻の妹も、母も、癌に倒れました。
そんな姿を見ても、いや、見てきたからこそ、怖い、忌み嫌う、ということを
したくないのかもしれません。
だって、一次予防が、あまりにも軽視されてないでしょうか?
遺伝的要因は後天的要因でカバーすることはできます。
虫歯を気にして全部抜いちゃってインプラントでもいれれば
虫歯の心配はゼロですよね。
しかし、それを「予防」と呼ぶのはあまりにも抵抗があります。
歯ぎしりが強ければそのインプラントもパーになってしまうかも。
交通事故にでも遭って、寝たきりの生活を余儀なくされた場合
十分なお手入れができなくなってインプラントがぐらぐらになることだってあるかも。
一次予防に心血を注いだって、なるときにはなるようにしかなりません。
一番強いのは、その時に受け入れる準備が出来てしまってることです。
どの方法を選択したか、よりも、選択するときにこれでもか!って考えたかどうかです。
自分の人生だから自分で決めればいいんですが、
世界的にあれほどの有名人であり、ボランティア活動もなさってる方の
影響力は半端ではないと思います。
是非、身を以て全世界に問題提起をなさった、と思いたいものです。
ちなみに、安藤美姫選手のニュースはちょっと気になりました
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