今回のオーケストラ『台湾愛楽管弦楽団』の皆さんは、
若い人が多くて、非常に溌剌としたオケでした。

まだまだ未熟なところはあるけど、やる気とガッツ、向上心があり
日本のオケのように、言い方は悪いですけど『すれた』所がなくて
皆さん、素直な人達ばかりでした。

日本のオケは、技術的に高いものがありますが、
その分プライドも高く、アニメ、ゲームなどの音楽を演奏する時などは、
本来のクラシックの曲をやる時ほど、熱い演奏をしてくれない事が多々ありました。

まぁ、こう言う音楽をやる事を、それほど好きではないのだろうから
仕方ないな。
なんて、感じた事もあります。


それが、今回の台湾オケの人達。

この曲を演奏したくてしょうがない、って気持ちがひしひしと伝わって来て、
それに乗せられて私も、あらん限りのパワーを込めて指揮をした結果
本番では、凄い名演になりました。



歴史的コンサートと言ったのには、そんな理由もあったのです。


そして、今回ほど、オーケストラの団員さんや現場のスタッフさんから
サインと、一緒に撮る写真を求められた事がありません。

舞台裏で、出待ちをしている時なんか、それこそひっきりなしのリクエストが。

サインの順番にもの凄く並ぶものだから、第一幕の出番の際に
危うく”出とちり”(出番に間に合わない事)するところでしたよ(笑)


その中でも、印象的だったのが、ある木管のお年を召した団員の方。
『最初はあなたの事を、知らなかったけど、音楽を聴いて感動して、
 そして、家で自分の子供に聞いて、あなたがどれだけ大変な人か?を知って
 改めて、尊敬しました。
 お名刺の交換をしていただけますか?』

と、言われました。


何か、お互いのリスペクトって、作曲家ならその音楽、演奏家ならその演奏、に
全てが現れているのだから、私の音楽を演奏してくれて、それが大好きになってくれたのなら
こんなに嬉しい事はありません。


コンサート終了後にも、多くの団員の方が、私の楽屋に訪れてくれて
たくさんの賛辞を頂きました。


また、やるぞ!
台湾コンサート!

こう言うのが本当の文化交流、って言うのでしょうね。