レッスンで聴音をしていると良くあることですが、
みんな「ド」と「ソ」を間違えやすいです。
これはなぜか。
それは「倍音」を聞き取っているからです。
カンタンに言いますと、「ド~」と先生がピアノで弾いた時に、
生徒さんたちは「ソ」の音も同時に聴いているのです。
ある程度の年齢の生徒さんには、倍音の話をします。
倍音とは、音高=音の高さの整数倍の周波数成分のこと。
例えば、ピアノで「ド」を弾いたら、
その音の中に、2倍の周波数成分のオクターブ上の「ド」(2倍音)、
オクターブ上のドの完全5度上の「ソ」(3倍音)、
2オクターブ上の「ド」(4倍音)、
2オクターブ上のドの長3度上の「ミ」(5倍音)、
3倍音の「ソ」のオクターブ上の「ソ」(6倍音)、
2オクターブ上の「ド」の短7度上の「♭シ」(7倍音)が、
そして、まだまだ上の音も同時に鳴っています。
それらが「倍音」。
私たちは最初の「ド」だけではなく、その倍音も聴いているのです。
ちょっと数学的で、わかりにくい話ですね。
・・・私も、理屈では良くわかっていません(笑)。
でも、知識としては一応入っています。
知識というか譜面上で・・・ですね。
お子さんにこの「倍音」を体感してもらうために、
レッスン内で良くやるのが、”おばけピアノ”。
ピアノの低音部を、左腕で音が出ないように押さえます。
そしてそのまま中→高音部に向かって、右手の指で
ポーンポーンと鍵盤を押さえていくとあら不思議。
鳴らしていない低音部の弦たちが、
ぼわーんと鳴っているではありませんか~。
・・・これは、本物のピアノでしか体感できません。
逆に言えば、本物のピアノで毎日練習していれば
常に感じている音なのです。
しかし、電子的にそれを真似ようとした電子ピアノでは
現実の音の複雑さを超えることはありません。
本物の音に私たちが「美しい」と感じて心ゆらぎ、
そして惹かれるのは、
人工的に生み出されたものにはない、
「自然さ」が含まれているからではないでしょうか。
自然であることの中には、「共鳴し合う」ということや、
「不完全な部分もある」ということも
含まれているように感じます。
専門的な話になると長~くなりますし、
そもそも「倍音」なるものを発見した方は数学者ですので、
説明だけじゃ理解しにくいのでやめておきます。
しかし、むかしむかしから感じ取られてたようです。
倍音。それは鳴らしていないのに聴こえる「天使の声」 として。
でも・・・人間の存在そのものと・・・同じですね。
共鳴し合うことや、不完全であること。
いえ人間だけではなく、生きているものすべてに言えることでしょうか。
珍しく、早朝に起きたのでちょっとアタマの中がクリアな感じです。
静かな朝の透明な空気を吸ったら浄化されたのでしょうか。
なんとなく、この「天使の声」のことを思い出しまして。
ちょっと語ってしまいました。
そう。みんな倍音を聴いている。
美しい本物の音に、もっともっと触れ合っていって欲しいな。
今の時代、良い意味でもそうでない意味でも、
身の回りに音が溢れすぎている・・・気がします。
だから、音楽を学ぶ生徒さんたちには、
”良い音を聴き分け、自分で選べる人”になって欲しい。
・・・そう思いながら・・・ずっとレッスンを続けています。
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