昨日は、渋谷のタカギクラヴィア松濤サロンまで
松濤クラシックまにあ 〈忘れられたピアノの歴史たち〉
第2回 なぜフォルテピアノが消えたのか
を聴きに行ってまいりました。
タカギクラヴィア株式会社社長であり、
ピアノプロデューサー、ピアノ技術者でいらっしゃる
高木 裕さんのお話と、フォルテピアノ奏者の丹野めぐみさんの
演奏を堪能しました。
高木さんの御著書「今のピアノでショパンは弾けない」を
徹底検証という事でのコンサートシリーズ。
楽器の構造や歴史を知り尽くされている高木さんの
お話は大変興味深いものでした。
コバルト兄弟制作(オランダ、2002年)
C.グラーフ(ウィーン、1835年頃のレプリカ)。(この日はA=430)
写真もOK、しかも弾いてもOKだというので、驚きました。
非常に繊細で知的な、丹野めぐみさんの演奏。
コンサート終了後に、私も少し弾かせていただきましたが、
なんと柔らかく透き通った音であることか・・・!
そして奏者の心の奥深いところから生み出さないと、
美しい音が出せない。その奏法の難しさ。。
今のピアノと同じようなタッチでは、良い音は出ませんでした。
◆フェリックス・メンデルスゾーン
「プレリュードとフーガ ホ短調」
◆クララ・シューマン
「三つのロマンス」
1.アンダンテ 2.アンダンテ 3.モデラート
◆ロベルト・シューマン
「幻想小品集」より
1.「夕べに」2.「飛翔」5.「夜に」
◆ルードヴィヒ・ファン・ベートーヴェン
「ピアノ・ソナタ イ長調」
第一楽章 やや生き生きと、もっとも内的な感情を込めて
第二楽章 生き生きと、行進曲のテンポで
第三楽章 ゆっくりと、憧憬に満ちて~第一楽章のテンポで~
快活に、しかしはなはだしくなく決然として
「innig=もっとも内的な」
ベートヴェンのソナタの第一楽章の冒頭に使われた、
形容詞、「innig」。
この日のプログラム全てにおいてのテーマでもあったと
感じました。
クララとロベルトの、愛のささやきも。
内に秘めた情熱を音に託し、演奏されたその時を
現代を生きる私たちにも感じさせてくれました。
アンコールは、バッハの平均律 13番 BWV858
楽器に歴史あり。
そこには個性も、奏者の思いも全て反映されて作られていた。
あらためて、ピアノの演奏法や表現法について
深く考えさせられた貴重な時間でした。
丹野めぐみさん、深みのある演奏をありがとうございました。
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