「トービンのq」について考える | ユウ坊の経済を考えるブログ

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「トービンのq」とは“資本ストックの総市場価値を資本ストックの再取得価格で除した値のことをいい q1のとき投資は実行される”というもので、著名なケインジアンであるジェームズ・トービンが提唱したものである。

「トービンのq」は「(株価総額+負債総額)÷現存の資本ストックの買替に必要な費用」と置き換えることができる。「トービンのq」について考えてみたい。

 

「トービンのq」はケインズの『資本の限界効率』を応用したものと思われる。そして 「平均のq」と「限界のq」に分けることができる。「平均のq」は上記に示した値のことで、「限界のq」は追加資本ストック1単位あたりの費用に対する市場価値の比率と定義される。本来、『事業投資』における意思決定の際に用いられるべき「トービンのq」は「限界のq」の方であるが、追加資本からの将来収益性を評価することは不可能と考えられていることから「平均のq」で代用されているといわれている。

 

 ここで少し考えてみたい。あくまで個人的な意見となるが『ブラック=ショールズ・モデル』を「限界のq」に応用できるのではないかと考える。ブラック=ショールズ・モデルはヨーロピアンタイプのオプションの価値を算定するものとして1974年にフィッシャー・ブラックとマイロン・ショールズによって考案されたものであり、後に他の資産価格を算定することに応用されている。ブラック=ショールズ・モデルは市場で得られる数値をもとに比較的容易に資産価値が算定できるとして実務でも応用されているといわれている。

 
 そもそも、ブラック=ショールズ・モデルは将来に依存するものの価値を測定するわけだから、ブラック=ショールズ・モデルの応用によって「限界のq」が求められるような気がする(あくまでも気がする)。

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