2014年12月30日

 欧米の情報関係者は、中国国内で使ったパソコンをその都度、廃棄する。 一度でもネットに繋いだら、その瞬間に入り込まれると考えているからだ。 IT担当大臣になるまで、もっと正確に言うと、サイバーセキュリティー政策のための山本部会を立ち上げるまで、そんな常識すら知らなかった。 政治家として恥ずかしい。 

 内閣府特命担当大臣としての最後の海外出張になった中国廈門での海洋担当大臣会議では、一切、Macを使わなかった。 秘書に電話して、ブログを更新させた。

 大臣在任中、途中から携帯での会話は「誰かに盗聴されている」ことを前提にやっていた。 総理及び主要閣僚、総理の近くにいる官邸のスタッフは、全員、盗聴の対象になっていると考えておくべきだ。 もちろん、適切な対策を取っていただいていると信じている。

 全体として、日本社会はサイバーセキュリティーに関する意識が低い。 政府だけでなく、一般企業の取り組みも遅れている。 「自民党総裁ネット戦略アドバイザー」としての重要な任務の一つは、政府内における情報セキュリティー意識を高めること。 メルケル首相の携帯さえ盗聴される時代なのだ。 

 平井卓也 自民党IT戦略特命委員長の涙ぐましい努力によって、サイバーセキュリティーの基本法は成立した。 が、日本がサイバー攻撃に対して脆弱であることは、紛れもない事実だ。 過去のブログでも触れたが、サイバー対策を国家安全保障戦略の最重要分野のひとつに格上げする必要がある。 中核を担うのは、国家安全保障局だろう。

 安倍総理の「積極的平和主義」を実現するための閣議決定の文章をもう一度、読み返してみた。 「憲法9条の下で許容される自衛の措置」が、集団的自衛権の解釈の一部変更に関わる部分だ。 

 北朝鮮のサイバー攻撃に対して、オバマ米国大統領が報復すると明言した。 オバマ大統領は「戦争行為ではなく、サイバー空間の破壊行為だ」と言っているものの、後から振り返れば、これが21世紀の「サイバー戦争」の幕開けだったということになるかもしれない。 サイバー攻撃と個別的・集団的自衛権の関係についても、日本政府としてしっかりと理論構築しておく必要がある。

 さあ、情報収集活動に戻らないと。

  
◇山本一太オリジナル曲:
<a href="http://www.nicovideo.jp/watch/1362912973" target="_blank">「素顔のエンジェル」</a><br><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/1362913254" target="_blank">「マルガリータ」</a><br><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/1298511048" target="_blank">「かいかくの詩」</a><br><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/1372242789" target="_blank">「一衣帯水」</a><br><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/so21209855" target="_blank">「エイシア」</a><br>