見たくないものほど、早めに覚悟を決め、直視したほうがいい。 | MAKAのブログ

見たくないものほど、早めに覚悟を決め、直視したほうがいい。

めんどくさい、見たくない、関わりたくないけれども、いつかはそれをしなければいけない、


といった性質のものはよくある。



例えば、


会社員であれば、自分が嫌い、苦手、気が乗らないor問題を抱えたまま処理していない業務


学生であれば、進路や受験やテストのこと。


ニートであれば、仕事のことやお金のこと。


カップルであれば、結婚のこと。


毎日の暮らしの中でも、返信しないで放置したメールのことだったり、忘年会の予約だったり、タイヤ交換だったり、といくらでもある。



期日が決まっていないものでも、何か問題を抱えていて、このままではいけないと思っているもの。


家族・夫婦間の深刻なすれ違い、

病気や障害などを抱えた場合の対処、

転職か独立を考えている場合、  などなど。



こういったことに向き合う際には、


早めに覚悟を決め、直視し、行動するほうが、必ずといっていいほど、上手くいく。


早ければ早いほど、直視すればするほど、上手くいく。



上手くいくというのは、その問題への対処が上手くいくというのはもちろん、


生活のクオリティ全体が向上し、色々なことが上手くいくということだ。






それはなぜか?



「やりたいこと」は自分から行動するから、そもそも問題は起きない。


「やらなくてもいいこと」はやらなくてもいいのだから、これも問題は起こらない。


そんなわけで、いつも抱えたまま残るのは、


「やりたくないのにやらざるを得ないこと」ばかり、ということになる。



便利になったはずの現代社会においても、


「やりたくないのにやらざるを得ないこと」はとても多い。


この大量の「やりたくないのにやらざるを得ないこと」に対してどうするか?


いうのは相当難しい課題だ。


そういったことへの対処力や、捌く力というのは生活力と言い換えてもいい。



問題が本当にヤバくなることは少ないし、命に直結するようなこともそうそうないので、


問題から逃げ続けることも一応、できる。



ただ、精神的な観点からみると、問題から逃げ続けることはできない仕組みになっている。


一瞬でも「見たくない」「考えたくない」とどこかで感じた、気づいた、疑いを持った時点で、


表層の意識では、他のことを考えてそれをごまかせても、


簡単にコントロールできない深層の意識等は、しっかりとその現象を捉えている。


そして、その情報を元に、その「関わりたくないもの」を想起させる出来事や、


情報や、人物といったものに表層意識を触れさせないように、裏から手を回し、


そういった可能性がある場所や人物やものを無意識レベルで回避し、


万一出会ってしまっても、いち早く脳をコントロールして情報を遮断し、


それでも遮断しきれない情報に対しては、瞬時に「正当化」の論理を構築するなどして、


表層意識を守ろうとする。


このように、身体の免疫のごとく、精神的にも抗体・防御機構は作られる。



しかしながら、身体のアレルギー反応や、発熱に代表されるように、


こうした防御機構は、発動する際に身体へダメージを与える。


精神的な防御機構でも同じで、イヤなことから身を守るたびに精神的なダメージが発生する。


嫌なことから逃げるのと引き換えに、現実認識を狭めたり、歪めたり、白を黒と言い張るわけだ


から、これは矛盾を作り出していることになる。


どんな矛盾であれ、矛盾を抱えること自体が、精神の毒としてはたらく。



防御機構が形成される具体的例を示す。


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志望校に不合格になった受験生がいた。


彼はこの受験のためにすべての生活を捧げてきた。


だが努力叶わず、無常にも不合格の通知が届いた。


彼はすべてを否定され、目標を失ったと感じていた。


現実の問題として、予備校へ行くか?進路を変えるか様々なことを選択しなければならない。


彼は依然として不合格を、現実そのままの事象として認めることができずにいた。


自分の能力や努力まで「不合格」にされるのはどうしても許せなかった。


だが、不合格はあまりにもはっきりとしていて、現実として認めざるを得ない。


そこはひっくり返せない。



表層意識と無意識がめまぐるしく協議し、一つの「密約」を取り交わした。中身は次のとおり。


①僕はそもそも、「志望校もやる気も無かった」というストーリーを事実として認定する。

②志望校を目指していたのは、ただ周囲に合わせていただけ、というストーリーを事実として認定する。

③やる気がないのだから、再受験しては不自然であり、専門学校などにどこか適当に入る、というストーリーを今後の方針とする。

④ほとんど努力していないのだから、不合格は当然であり、受け入れることに何の問題もない。

⑤僕の能力についても、今回の不合格では一切判断できない。

⑥密約の設定を脅かす事象については、表層意識に被害が及ばないよう、予め深層意識側で責任を持って対処し、簡易に対応できるものは、この密約を用いて表層意識側で処理する。



このようにして、精神的な抗体・防御機構、偽りのストーリーができあがる。


彼は、この密約の正当性を自分自身で問えるようになるまで、


ずっとこのストーリーを維持するために、嘘をつき続けることになる。



本当は志望校への未練を断ち切れなくても、興味が無いフリをし続け、


志望校の周辺や、志望校の学生を無意識レベルで避け、


テストや試験など、学力面で自分の能力が試される機会が来るたびに怯え、


そのたびに結果に対する言い訳を予め考えるのが習慣となる。


そして、真剣に取り組まない習慣ができあがる。


対外的にもそのように振舞う時間が長くなるにつれ、どんどん後戻りできなくなっていく。


そしていつしか、それが本当の自分だったのだと思い込むまでに習慣化し、


密約のことなど晦冥の彼方へと消え去ってしまう。

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このように、精神的なものについては、都合の悪いものだけ上手く消すことができない。


消すには、それ相応の悪魔の契約とでも言うべき、防御機構による現実の歪曲が必要なのだ。


こういった悪影響が、何かをごまかせばごまかすほど、蓄積していくことになる。



見たくないものが増え、ごまかしたいものが増え、直視できないものが増える。


すると、ただ真っ直ぐに取り組めばできていたはずのものが、できなくなる。


先ほどの彼だって、密約を本気で解消しようと努めない限り、


その後の「受かっていたはずの試験に落ち続ける」可能性が高い。


こうして、負の連鎖は始まっていく。


これは、人間関係、仕事、スキル、幸せの感触、すべてのことに当てはまる。



こうした連鎖に陥らないため、


やりたくないことにはできるだけ早く、傷の浅いうちに対処するのがいい。


物理的にも、借金に代表されるように、時間がたつほど苦しくなることが多いのだからなおさらだ。



こうした仕組みを知っておくことで、逃げたい本能に逆らって行動を起こしやすくなる。


問題になりそうなことを先回りして解決するくらい、良い連鎖を維持していきたいといつも思う。


余裕が生まれると、不思議と先が見えやすくなる、という状態もおまけでついてくるので、さらに良い連鎖を維持しやすくなる。