国会南東角の交差点できょう16日午後7時半ごろ、国会に向かう通路を閉鎖した警察の過剰警備に抗議していた市民に対し、警視庁第4機動隊の隊員多数が突然暴力的に襲い掛かり、若い男性と高齢女性の二人を仰向けに倒し、「公務執行妨害」の現行犯という口実で逮捕・連行するという事件があった。

 筆者は事件の一部始終を目撃し、写真に記録した。男性と女性はなんら手を出すことなく、完全に平和的に「通せ」と口頭で抗議を行っていた。暴力を振るったのは警察のほうで、腕を乱暴につかんで引き倒し、身を守ろうとする2人に対して多人数で覆いかぶさるようにして押さえつけた。周囲には数十人のデモ参加者がいたが、口々に「暴力をやめろ」と抗議した。

 暴力団員顔負けの暴言を大声ではき、感情的になって暴力を振るおうとする隊員もいた。同僚警察官がとめていた。

 写真を撮っている筆者に対しても、始終警察官がつきまとい、体当たりをするなどして実力で撮影を阻止しようとした。不当なことをやっているというやましさがあったのかもしれない。

 特別公務員暴行陵虐罪の現行犯である。現場で指揮をとっていたのは4機4中隊の隊長(警部)だった。筆者は「公務執行妨害」を行った事実はなく、あきらかな不当逮捕ではないか、と抗議した。

  2人は手錠をかけられ、パトカーで連行された。女性はしばらく路上で倒れていた。ケガをした可能性がある。「救急車を呼べ」と筆者は叫んだが警察は無視した。

 通行はそれほど多くなく、バリケードをする必要性はいっさい考えられなかった。もし通行止めにしなければならない事情があったとしても、話し合って解決できる状況だった。バリケードの反対側(国会側)にも多数人がおり、なぜ強引に通行を阻止するのか意味がわからなかった。
 
 30分ほどのち、現場のバリケードは警察の手によって開けられ、通行が可能となった。