ミュージカル『アガサ AGATHA』 あらすじ 2015年版 | ELF's life

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リョウクさんが出演している韓国創作ミュージカル『アガサ AGATHA』2015年版のあらすじを書きました。
ネタバレしていますので、自己責任で読み進めていただければと思います^^

このページは2015年の『アガサ』を観て書いたものです。初演の内容とは変わっています。
初演のときのあらすじはこちら
ミュージカル『アガサ AGATHA』 あらすじ 初演版
ミュージカル『アガサ』 登場人物・作品について
ミュージカル『アガサ』公演情報・会場の行き方



◆◇◆あらすじ◆◇◆

1926年冬、11日間失踪していた推理小説界の女王アガサ·クリスティ。
11日後あるホテルで発見された彼女は、この間のことを覚えておらず、生涯、そのことを誰にも言及しなかった。
11日間の迷宮の中で彼女に何があったのだろうか...?


盗作批評に包まれて再起不能になった作家のレイモンド・アシュトン。彼は悪夢に苦しめられているが、その悪夢が子供の頃懐いていた推理小説界の女王アガサ・クリスティに関係していることに気付く。そして子供の頃の記憶を辿って彼女に手紙を送り、彼女との話を通して自分もまともに覚えていなかった昔のことを模索し始める。


1953年、イギリス、グリーンウェイの邸宅で穏やかな余生を送っていたアガサ·クリスティ。
彼女の60番目の小説出版を記念するパーティーに、”R”から一通の手紙が届く。手紙を送った人物は、昔、アガサの全作品を愛読し彼女に懐いていた少年探偵レイモンド・アシュトン。彼は悪夢の中でアガサクリスティの未完成小説「迷宮の中のティータイム」を発見し、疑いを抱いてアガサに手紙を送っていた。
二人は手紙をきっかけに対面し、忘れていた27年前の冬、アガサ·クリスティーの失踪当日へ激情的な旅に出る。


1926年12月3日、アガサは新作発表のために用意したティータイムの後、突然失踪する。
レイモンドとアガサの夫アーチボルドをはじめとする周囲の人々は彼女の行方を探し、彼女が執筆していた未完成の次期作「迷宮の中のティータイム」も一緒に探す。
少年探偵レイモンドは警監エリックとアガサの行方を捜査する。

当時アガサは母の死と夫の浮気に大きな衝撃を受けた状態であり、彼女の周囲、夫アーチボルド・クリスティのほか、記者ポール、メイドのベスなどが各自の欲望を満たすために彼女を苦しめていた。
常に小説を書かなければならないというプレッシャー、周囲の過剰なまでの関心、自分を取り巻く人間関係に堪えられなかったアガサは邸宅を出て、車をあてもなく運転しているうちに湖畔に追突してしまう。そして湖で突然、自分の前に現れた正体不明の男”ロイ”と出会うことになる。
アガサが滞在するホテルに現れたロイ。アガサはロイに対し、レイモンドが構想を練っていた推理小説の登場人物の名前を使い、自らを”テレサニール”と名乗る。ロイは作家で毒に詳しく、推理小説のために毒に興味を持っていたアガサはそんな彼と話が合うことが嬉しく、魅力的なロイに惹かれていく。

アガサはホテルの一室で、ロイと未完成の小説「迷宮の中のティータイム」を書き進めるようになる。そこでロイはアガサを取り巻く周囲の人々が題材となる小説「迷宮の中のティータイム」を通して、周囲の人々の思惑、現実をアガサに見せ付けていく。
記者ポールはハイエナのようにアガサの私生活につきまとい、編集長ニューマンは推理小説の要となる殺人の動機を無視した華やかなだけの派手な殺人を望み、夫アーチボルドは執筆活動に没頭する妻に嫌気がさし秘書の二ールと不倫、アガサが母のように慕っていたメイドのベスは実はアガサの夫と不倫するニールの実母であり、不倫を知りながら匿っていた。推理小説界の女王と呼ばれ、地位も名誉も手に入れ華やかな生活をしているように見えたアガサは華やかな仮面で心を隠し、華やかな仮面で傷を隠し、人々の欲望に苛まされながら自分を押し殺していた。

夫、記者、編集者、メイド、4人それぞれにアガサを追い詰めた原因があると突き止めたレイモンド。しかし、アガサを追い詰めたのはその4人だけでなく、レイモンドもそのうちの一人だった。
レイモンドが推理小説の構想を話していたペンパル友達が記者のポールだったのだ。レイモンドはドアの鍵穴からアガサの部屋の中を覗いてペンパル友達にその様子を伝えており、そこからアガサの私生活が世間に漏れ、アガサを苦しめていた。レイモンドはティータイムのときもいつものように鍵穴を覗いていた。

あるときアガサは、ロイが時折残酷すぎると思うほどの言葉を吐くことを怪訝に思い、いったいあなたは誰なのかと問いただす。ロイがアガサのことを”テレサニール”ではなく”アガサ”と呼んだことで我に返ったアガサは、彼と対面することになる。そこで、“ロイ”はアガサが精神的に崩れ落ちることを見かねてアガサの外に飛び出してきたまた別のアガサ、自分自身だと知ることになる。
周囲の人々に対する殺意をアガサの心の底から引き出そうと絶えずアガサを誘惑するロイ。その誘惑に屈しそうになりながらもロイを振り切り、ロイという殺意を消すために自分が死のうとするアガサ。ロイは自分は消えるのではなく永遠に深い迷宮”ラビリントス”の中で待つだろうと言いアガサの目の前で消える。
再び日常に戻ったアガサは失踪した11日間を覚えておらず、レイモンドのことも思い出せなかった。という記憶喪失のふりをして、幼いレイモンドを責めずに済む方法をとり、自身の殺意からレイモンドを守ったのだ。



レイモンドは「もし自分がアガサなら」という仮定をしながら、アガサ失踪の調査を通して、最終的にアガサが消えた理由を知ることになる。そして、その原因の一部が自分にあったということを知り苦しむ。
一生話さずに過ごしてきた日々に対する事実、そして自身さえもそのことを覚えていなかったレイモンドの自覚。老年のアガサは、一歩遅れて自分に許しを請うレイモンドの負い目を振り払い、最高の探偵だったじゃないかと励ましてくれる。

レイモンドはアガサに、ロイと二度と会うことはなかったのかと尋ね、アガサはそんなレイモンドに難解な答えを残す。”新しいことを作るためには、いつも迷宮の中に入っていかなければならならない”と。迷宮の扉が開き現れたロイとアガサの再会で劇は終わる。


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観客はアガサの失踪事件を暴く15歳の少年探偵レイモンドの記憶に沿って事件の中に引きずり込まれていく。彼は観客を迷宮の中に導いて、目的地まで送り込む。その迷宮の終わりに現れるのは、アガサの内面にある“殺意”という怪物である。
ロイは実在の人物ではなく、アガサ内面の“殺意”として出てくる。アガサの殺意は、人間関係の中で鮮明になる。彼女は自分を取り巻く状況の中で孤立していく。最愛の母の死、夫の浮気、小説へより凶悪な殺人を希望する読者の叫びは、刃が鋭くなり悲しみと憂いとなってアガサの胸に突き刺さる。
劇中“殺意”は「ロイ」という存在に投影される。 ロイという“殺意”は致命的だ。悪が多くの場合そうであるように、彼は魅惑的で熱く衝動的にアガサの内面に侵食していく。失踪事件の核心に迫るほど、ますます現れるこれらの人間関係は、「殺意」と「自我」の関係について描かれている。
作品は、人間内部の「殺意」についての考察であり、彼“殺意”と向き合った一人の女性の死闘を描いている。

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※記憶を辿って書いており、韓国語の聞き取りもあまりできないため、間違ってる部分もあるかと思います。
記憶があやふやな部分は初演のあらすじを使いましたすみません…。
間違っている箇所や解釈が異なる部分などありましたら教えていただければ嬉しいです^^


劇中何度も出てくる”ラビリントス”というキーワードは曲名にもなっています。
最初に出てくるのはアガサの書斎で推理小説の作り方、トリックについてレイモンドがアガサに教えを請う場面、アガサが赤い毛糸とナイフをレイモンドに持たせるシーンです。
“ラビリントス”とは
ギリシア神話ではミーノータウロスが閉じこめられた場所とされている。
脱出不可能といわれる大迷宮ラビリントス。
ラビリントスの入口にいるアリドネに魔法の毛糸の端を持たせ、迷宮に入っていくテーセウスにその毛糸のもう片端を持たせた。テーセウスが隠し持っていた短剣でミーノータウロス(敵)を倒し、魔法の毛糸をたどってアリドネが待つラビリントスまでたどりつくことができた。(参考Wikipedia)
劇中、小説を作るためには迷宮ラビリントスの中に入っていかなければならないというアガサ。そこで脱出不可能といわれる迷宮から出るために魔法の毛糸と、自身の”殺意”という怪物に立ち向かうための短剣がアイテムとして出てきます。
ラビリントスについて知らないと何で毛糸なのかわからないんじゃないかな…。。


ミュージカルの内容とはそれてしまうんですが…
今回のミュージカル『アガサ』ではアガサの偽名を、レイモンドの小説に登場する人物の名前”テレサニール”を使っています。
実際のアガサ失踪事件では、失踪後発見されたとき彼女は記憶喪失状態でしたが、ホテルで使っていた名前は夫の不倫相手と大変似た名前でした。
記憶喪失なのに夫の不倫相手の名前使うなんて、彼女がどれほど精神的に追い詰められ、まいっていたかがわかりますよね。。
ミュージカルが始まる前にミュージカルの内容だけでなく、実際の失踪についても調べていたんですが、この事実が私の中で一番衝撃的でした。


ミュージカルの感想はまた別の記事で書こうと思います。
初演のOSTとは順番も曲も変わっているので今回の曲の流れと題名もまとめたのですが、公式に曲名出ていないものもありますし、完全に自己満なので限定?にしようかExcelでひっそりまとめるか考え中です。載せても需要あるのかという。笑