センス・オブ・ワンダー | 江口昌記の 月のうさぎ

センス・オブ・ワンダー


アートというと
パフォーマンスだと
考えたがるのはアコガレだ

若気の至りは虚ろな興奮と
たかぶった発情

そこには誇示があるものだから
必ず「嘘」がまぎれこむ

それはまるで
逆毛を立てて威嚇する子猫みたいに
大きな形に表現に「嘘」を盛り込む

日常ではない非日常に自分を駆り立てる錯覚
それは破壊と自滅のシナリオエンド

あるとき気づくんだ

洗練されて凝縮されて
そぎおとされたものが日常にある

あるとき気づくんだ

夕暮れの庭に水をまき
まぎれた闇に大気の声音を見つける

その気配を深く吸い込み
鼓動を合わす
そういう感覚
センス・オブ・ワンダー

生き方も暮らし方も
それぞれがつむぐアートだ

だれに誇示することもなく
自分のアートをまとうこと

特別に表現することではなく
虚勢もなく体現していること

時間を止めたアートもあれば
時間と暮らすアートもある

そのことはただ
わかりにくいのかもしれないけれど

形のあるアートにはできない
命のあるアートになれるんだ





センス・オブ・ワンダー

Army Photography Contest - 2007 - FMWRC - Arts and Crafts - Mountain Still / Visual Images provided by U.S. Army





0282015