その朝もいつもどおり私は始発駅から電車に座っていました。右隣にはスマートなOL、左隣には小柄の身障者女性が座ってました。通常は6人掛けの座席だけど、詰めれば7人座れる。今日も7人座っていました。
しばらくすると私の2倍くらい太った100キロ超クラスの巨漢サラリーマン男性(以降は巨デブリーマンと呼ぶ)がすごく座りたそうに周りをキョロキョロしながら、私の前に立ちました。(この時点で嫌~~な予感。)
次の駅で右隣のスマートな女性が下車するため席を立ち上がりました。空いたスペースはどう見ても女性1人分。細身の男性でも迷うスペース。なのに、なぜかそわそわする巨デブリーマン。胸騒ぎする私。
『まさかね。。過去の傾向から、太ってる人は席が空いても自分のサイズ分のスペースが空かないと座るの断念してたし。』
すると、その巨デブリーマン。女性が席を離れたとたん、無理矢理
私の右太もも肉を乗せてまで座ったーー!
それも横の女性が座ろうとしたのに、取られまいとすんごい勢いで座ったーー!
何!このずうずうしさ!普通こういう状態なら女性に譲るやろ!この気の利かない無神経男!ちゅうか若い女性(アラフォーだが小ギレイにしてる!)の太ももに乗るか普通!チカンで訴えたろか!
私は本来、太っている人に特別に悪いイメージは持っていません。おおらかそうとか優しそうってイメージくらい。どちらかというと好意的で男女問わず太っているくらいがかわいいとも思ってました。周りにも太っている人多いし。母も太ってるし、弟もガッツリ太ってるし。太っている人は体重で膝が痛んでかわいそうだと同情するほど。
が、この日以降”無神経な巨漢デブ”が大嫌いなりました!(ちゅうかもともと”無神経な人”が大嫌い。)今までは『デブ』って言葉使うのも非常に抵抗を感じてたけど、コヤツら無神経野郎にはそう呼んので十分かと!
ちなみに同じように太ってても紳士的で気が利く男性、あと女性と子供は例外です。特に女性は充分なスペースが空かない限り座らないケースが多く感心させられることも多いです。
『ちゅうか、コラ!おおらかにもほどがあるぞ!!自分の体のサイズもわからんのか!小さい頃から慣れ親しんだ自分の体やろ!さすがの私でも自分が10年乗ってる愛車の車幅くらいは目測できるぞ!当然、駐車スペースが厳しそうなら断念や!お前が車だったらドアミラーもろとも両ドア吹っ飛んでるぞ!』
その巨デブリーマン。無理矢理お尻をスペースに入れ込み、おばさんみたいにお尻を振ってねじ込んだ。(ちゅうか私が左隣の身障者女性側にギュウギュウと詰めた!彼女に申し訳ない!この無神経デブのせいで!)少しの隙間ですらそこに贅肉が流れ込み塞がる。ただ、さすがの巨デブリーマンも肩までは入らなかったため、前かがみで最終落ち着く。その光景を見ていた乗客、きっと私と同じこと思ったやろうな。。
「あさましい。」
その後も絶え間なく肉圧をかけてくる巨デブリーマンにイラつき、眉間にすんごいシワを作りながらもしばらく私は本を読んで乗車していました。左隣の身障者女性は毎朝の常連さん。なので次の駅で降りるのはわかってました。心の中で、『彼女が降りると小さな子供分のスペースしか空かないから、細い女性でも座るのたいへんだな』と思ってました。
彼女が席を立つと空席に座るか戸惑う周りの女性達。
すると、信じられないことが!!!
彼女の下車した駅から、これまたすんごい勢いで乗り込んできた巨漢の20代の男性(服装がカジュアルだったので以降はカジュアル巨デブと呼ぶ)が、女性達の戸惑いもモノともせず、その空いた席めがけ他の乗客を押しのけて
突進してきたーー!(あまりの恐怖映像に私は今もスローモーションでヤツの姿を思い出せる!)
「ま・さ・か!!冗談やろ!!」(私の心の声)
ドッスーーーーーン★
今度はマルマル左足に体重のせられた!痛ーーーい!!さっきよりひどい!子供スペースに巨漢デブ!(もう知らぬ間に”デブ”連呼!)
『私の左太ももにあんたの右半身の贅肉マルマル乗ってるから!
物理的に無理やし!この席は諦めろ!』
と睨みつけながら心の中で叫ぶ私。しかし右のデブと同様、無理矢理お尻をギュウギュウねじ込んできた。私は耐えられず、右のデブ側に詰めようとするが、既に限界。く、、苦しい。。カジュアル巨デブにギュウギュウと座席の奥に押し込まれる私。2匹の肉圧で私の両腕にはすごい圧力。体と肺が圧縮され、く、、苦しい!!長時間この体勢だと圧死するぜ~!
『おいおい。あんな巨漢2人にギュウギュウに圧縮されてるよ。
超笑える。』
『あんな太っちょに挟まれてあの女性かわいそ~。ちゅうか笑える~。写メ取りたい。』
私の光景を見てあざ笑う乗客達の心の声が聞こえる!
恥ずかしい!恥ずかしすぎる!私!
私が悪くないのに!!私の方がずっと最初から座ってたのに!
コントかこれは!ちゅかコントやん!乗客達に爆笑コントの披露やん!
既に通路で立っている人はまばらになっていて、私の座席エリアだけ超満員電車状態。席を立とうか迷う私。
しかし背もたれの方に押し込まれ、観音開きのドアのようにヤツらの分厚い肩が立ちはだかり身動き取れない。
巨デブ2匹の圧力で変形するカバン。
私の方が最初から席に座っていたという自負。
無神経なデブに絶対負けたくない、お前らが降りんかいという気持ち。
乗客達の好奇の目。
頭でいろんな思いがグルグル回る。
その迷いもすぐに断ち切れる。後で乗ってきたカジュアル巨デブ。私と接触しているところから尋常じゃない大量の汗をかき出した!!
『参りました…』
ジューシーに湿ったTシャツの気持ち悪さに降参した私。しかし席を立つにもひと苦労。私は2匹の肉をやっとの思いでかきわけ、別の場所に移動。急に風通しのいい広々としたところに出たせいか、体感温度が5度くらい下がった。涼しい♪私の行動を視線で追いかける乗客達。
『あ。逃げた!』『負けたな彼女。』
『よく我慢したよね!私ならソッコー席を立つのに~。
超ウケる~。』
またもや乗客達の心の声が聞こえる。
もう一度、元の座席を振り返ると私が席を立ったことで、空いたスペースに「せいせいした」と言わんばかりにふんぞり返る巨デブ2匹。
そこにはもう女性1人分のスペースはない。
デブ、無神経、ずうずうしい、サイズ目測が狂いまくり、20代男性など
いろんなカテゴリーで共通のアイツら。完全2対1。ヤツらの圧勝。
『巨デブ同士仲良く座りたいところ、私めの気が利きませんで、ど~もすいませんねぇ~』
と毒づきながら、睨みつける私。次ぎ会った時は絶対にヤツらを隣に座らせないよう、空席は死守&高度防衛することを誓う私でした!(終)
しかし、、なんであんなに2匹とも座りたかったんやろな~。。
膝がよっぽど痛むのか!?
