バーゼル委員会規制案 資本増強か国債売却か | 夢老い人の呟き

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以下は2015/3/10 0:51付 日本経済新聞より引用

「銀行、国債保有なら資本増強を」 バーゼル委、新たな規制案  

 世界の金融当局者でつくるバーゼル銀行監督委員会で、銀行が保有する金利商品に追加で自己資本の積み増しを求める案が議論されている。金利の急上昇 (価格の急落)リスクに備える新たな枠組みで、導入されれば国債や長期固定の住宅ローンを多く抱える邦銀は資本の積み増しを迫られる。資本増強の代わりに 保有国債を売却すれば長期金利の急上昇を招く恐れもあり、メガバンクなどは議論の行方に警戒感を強めている。

 バーゼル委は導入の是非について月内にも方向性を決める意向だ。金利上昇リスクを警戒する英国やドイツの主導で進めてきたが、日米両国は強く反対しており、議論は難航しそうだ・・・・・・・・。
以下省略 引用終了

<<「銀行、国債保有なら資本増強を」 バーゼル委、新たな規制案>>



日本などが反対している、数値基準を義務付ける「規制案」は、国債や長期固定のローンの様な、銀行の保有資産の価格が金利上昇で下落した場合に備え、あらかじめ保険として自己資本を積み増す事を義務付けるもの。
例えば金利が2%上昇した際に発生する損失額をその資産の「リスク量」として計算し、リスク量に見合う金額を資本に上乗せする案などがある。

日本が反対するのは、邦銀が多額の国債を資産として保有しているため。邦銀が持つ日本国債(1月時点)は約128兆円あり、日銀が昨年6月の邦銀の運用状況を基に試算したところ、金利が2%上昇すると、邦銀全体で10兆 円の含み損を抱えるという。


もし、一律に数値基準を義務付けられると、邦銀は自己資本積み増しか融資縮小、あるいは国債売却を迫られる。

これまで日銀が買い入れることにより、国債価格は上昇し金利は下がっていたが、すでに日銀の保有する国債は272兆円、国債残高の30%を超えている。

銀行が大量に国債を売却すれば国債価格は下落、金利上昇となる。
日銀が買い支えようとすれば、実質的な財政ファイナンスとなり、円の信用が失われ、暴落する可能性もある。


異次元の量的緩和は出口戦略が見つかるのだろうか。
このニュースはもっと大きく取りあげられるべきだと思うが、あまり大きく報道されないのはなぜだろうか?


10年国債の価格(利回り)の推移は下の通り。