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チャンネルAJER更新しました!

『人口と経済成長①』三橋貴明 AJER2014.6.10(3)

http://youtu.be/E-q3sej5tpA

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6月16日(月) 『G0.5の世界』 (日本文芸社) 刊行記念 三橋貴明講演会・サイン会 19時より八重洲ブックセンターにて 
http://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/3927/

NEW!7月6日(日) 雑誌「正論」トークセッション「日本を移民国家にしていよいのか」13時~ ホテルグランドヒル市ヶ谷
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_46.html#Seiron

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 月間三橋に、さかき漣がナビゲーターを務める会員限定コンテンツ「ネット・ラジオ『経世論入門(仮)』第二 回 」 がアップされました。六月は、言問吾妻と土方翔と三名で「デフレ」について再学習。http://keieikagakupub.com/38news/keiseiron/  毎週月曜に更新です。


 日本の「移民制度」は、技能実習制度、EPA、そして高度人材ポイント制度の三つが存在します。ちなみに、わたくしが「移民」と書く場合、
一年以上、継続して日本で働く外国人
 という、OECDや国連人口部の定義に基づいております。いわば「グローバルスタンダードな移民の定義」でございますね


 政府は昨日、高度人材ポイント制度により「移民受け入れ」を拡大する出入国管理法の改正案を参議院で可決し、法律が成立しました。
 結果的に、高度人材の年収要件などが大幅に緩和され、永住許可取得までの期間も、5年から3年に短縮されます(通常は十年)。これまでは、高度人材について「年齢別」に基準があったのですが、其れも撤廃。全年齢に共通した基準として、年収300万円を「高度人材」として認定することになります。
 年収300万円の高度人材と言われても、正直、ピンときませんが。


海外からの「高度人材」呼び込みで法改正
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140611/k10015137401000.html
 優秀な研究者や技術者を海外から呼び込もうと、高度な知識や技術を持った外国人が日本で3年間活動すれば日本での在留期間を無期限にするなどとした出入国管理法の改正案が、11日の参議院本会議で成立しました。(後略)』


 結果的に、今後は中国人の高度人材(及びその家族と家事使用人)が、続々と日本に入国してくることになるでしょう。彼らは3年で永住許可を申請し、取得していくことになります。


 なぜ、日本人の「余っている」ポストドクターを活用する、といった発想にならないのか、さっぱり分かりません。日本人の「優秀な研究者や技術者」を増やすことこそが、我が国の国力の増強であり、安全保障の強化に役立つと思うのですが。


 ところで、「移民政策」で日本のはるかに先を行っているシンガポールでは、最近、反移民の動きが強まる事態になっています。


外国人排斥に走るシンガポール国民の本音
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2014/06/post-3288_1.php
 シンガポールで最近、不穏な動きが高まっている。事の発端は、シンガポール在住のフィリピン人たちが祖国の独立記念日の祝賀イベントを企画したこと。巨大ショッピングセンターが立ち並ぶオーチャード・ロードで6月8日に開催される予定だが、ネット上では一部の国民から「不適切で無礼だ」という怒りの声が上がっている。
 これは同国で外国人差別が強まっていることを示す証しだ。そして同時に、政府に対する不満の表れでもある。
 現在、シンガポールで働くフィリピン人労働者はおよそ18万人。フィリピンの独立記念日の祝賀イベントは何年も前から行われているが、今年は開催日が迫るにつれてソーシャルメディア上で激しい非難が巻き起こっている。彼らいわく、国の象徴とも言える目抜き通りのオーチャード・ロー
ドで他国の独立記念日を祝うのは、国民のプライドを逆なでする行為。フィリピン国旗を掲げたりしようものなら「侵略」に等しいという。(中略)
 シンガポール政府はそろそろ、外国人排斥ムードを高める一因となった社会政策を本気で見直すべきだ。そうしなければ、いずれもっと深刻な摩擦に直面する恐れがある。
 一方、フィリピン側も自国の政策を真剣に見直す必要があるだろう。労働力の輸出政策はもともと70年代、国内の余剰労働力を生かすための一時的措置として始められた。しかし今では、最高水準の技能を持つ労働者の流出や国内産業の人手不足を招いている
 フィリピン政府が今後取り組むべきなのは、国民が外国で独立記念日を祝う手助けをすることではなく、彼らが国に帰りたくなるような環境を整えることだろう。
 シンガポールもフィリピンも、自国民の生活環境を良くするため、迅速かつ積極的に行動を起こすこと。それが問題解決への一番の近道だ。』


 そもそも、シンガポール自体が「移民国家」ではないか、という突っ込みは置いておいて、結局のところ多くの国の国民は「国民」であるという現実が、世界を新たなステージに導こうとしているように思えます。


 現在、シンガポールの人口に占める移民の割合は、40%に達しています。外国人労働者が増加し、例により賃金水準が抑制され、さらに公共交通機関が混雑し、「元々のシンガポール国民」が怒りの声を上げるようになってしまったのです。いわば、
シンガポール国民という既得権益者たちが、既得権を守ろうとしている!」
 という話なのですが、↑これを批判する方が間違っているように思えます。


 シンガポール政府は、国民の反移民感情が高まる中、さらに外国人労働者を増やす方針を表明し、ついに反移民集会が開かられる事態を招いてしまいました。


 結局のところ、国民は「国民」としてしか、安定的に生きることはできないのでしょう。別の言い方をすれば、国民が国民として生きることで、初めて社会は安定するのです。


 移民先進国のシンガポールは、「ヒトの移動の自由化」というグローバリズムの限界を教えてくれます。日本国が、シンガポールや欧州で失敗した「移民受入拡大」に乗り出すなど、周回遅れもいいところなのです。



「日本政府の周回遅れの移民拡大政策に反対する!」に、ご賛同下さる方は、

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