
タキステップや東リのNS800が出る前は、こういった金具止め施工が主流でした。

↑ステップ金具
タキステップ等のホームページを見ると省施工で簡単と書いてありますが、実はこちらの貼り方の方が簡単で安価に収まります。
ステップ金具は4メーターの長尺を仕入れれば、通常階段幅900mmで四段分、シートも長尺シートの巻物を使えば材料価は抑えられます。
しかし。
現在主流でないのには訳があります。
ステップ金具が別体で表層に段差ができるため、非常に雨やゴミが溜まりやすい、ステップ金具が外れる、ステップ金具周辺から錆が湧くなど、事後の管理に難が出ます。

このようにステップ金具裏の見えない箇所で錆が増殖するので厄介です。
現在、マンションを中心に標準採用されているのが、ステップ一体型防滑シートですが、省施工を謳いすぎ、施工不良による不具合が起きやすいタキステップ&NS800。
業者さんが事前に施工要領も見ずに、
適当に作業するのが主因なのですが。
旧来のシートではステップ金具で雨が塞き止められるので、雨が溜まるなどのクレームも分かりずらかったのですが、一体型では排水リブがしっかりついているため、不陸調整不足による水溜まりなとのクレームが多く発生します。
現場施工においては現場の構造環境に左右されるため、全く水溜まりゼロは難しいと言わざるを得ません。
しかし、できる限りゼロにする努力で、施主様の満足を勝ち取ることはできます。
当方は雨漏り止水などの経験を活かし、水勾配への気配りと、排水路の有効設置による水溜まり不良軽減に尽力しておりましたが、昨年参加したタキロンの施工実習において、私の施工が正しかった事を確認。
タキロンの施工担当部署のタキロンマテックスによりますと、解放階段における排水路設置は基本的に
『必須』
どうしても設置できない場合でも突き付け施工(一枚目の写真のようにシートを桁や蹴込にぴったり寄せて設置する)は避けてほしいとのこと。
熱変動での伸縮でシートのたわみ、たわみで防水シーリングを切り、シート内部への雨水流入を防ぐため、シートと立ち上がりには数ミリの逃げを作り、伸縮目地の役目を専用シーリング材に担わせるため、また、立ち上がり・床・タキステップの三面シールを行うことでシーリングが機能する量を十分に充填塗布してほしいとのお話でした。
排水路を設置する場合には、シートと排水路に余裕があり熱変動に対応、排水路とシートの境にはしっかりと三角シールが打てますから耐久性にも問題がなく、排水性も向上しますから、シート劣化の一因となる雨水滞留はかなりの部分で排除できます。
お話が長くなりましたが、以上の理由から、当方ではタキステップを採用し、排水路を設置、柔軟性に若干難のある東リ製ではなくタキロン製を重用という形にしております。
因みに数ミリで雨溜まりなんて。。
そう思われますか?

『溜まります』
なので優秀な業者さんならステップ材の両サイドに排水用の隙間を開けたりしてくれます。
現場感覚に乏しい施工者や元請けに当たると、こんな水溜まりが発生する代物でした。
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