いきなりですが、
わたしは母が大好きです。
もちろん、
父も大好きです。
高校生くらいの時は、
母が漬物石のように重たい存在でした。
両親共に、束縛するようなタイプではなかったのですが、母の性格は安定を求めるタイプ。
自分は公務員か、安定した職の人と結婚したかったが、違うタイプの人を選んだので子供には公務員になってもらいたい、という無言の圧力がありました。
特にわたしは聞き分けのいい方だったので、
1番可能性が高いと思われていたと思います。
段々と、親の敷いたレールには乗らない!みたいな時期に入って、1番母の希望に近いと思っていた娘は、急に夜遊びをし始めタバコを吸いだした。
友達の影響だと思った母は、わたしが知らない間に友達の家を訪ね、話にいったそうだ。
逆にその時、母は私の気持ちを初めて知る事になった。
過去に押し込めていた自分が大開放してしまった私は、アホみたいに遊びまくった。
母は世間体を気にして、
タバコは外では吸わないでね、
絶対にみつからないでね、といった。
田舎の出身なので噂話好きな隣のおばさんとか、あてつけみたいに連日うちの家のそばででっかい声で私の話をした。
母も相当苦労したと思う。
安定して静かに暮らしたいと思っている人だし。
けれども、いつしか母は開き直った。
大事なものは何か、という事に気づいたんだと思う。
相変わらず学校にいかなくても毎日お弁当は作ってくれるし、
正直、謹慎で学校行けなかったときも、
ちゃんと私の分のご飯を作ってラップかけて、置き手紙までしてあったりした。
泣きながら食べた事もある。
私は、母が安定した職業に就いてほしいというのは、母の押し付けだとか、母がかなえられなかった夢だからだと思っていた。
実際そんな話をしていたし。
でも、母自身も気づいた、本当に大事なことっていうのは、
子供に苦労させたくない。って気持ちだった。
大きな愛だった。
私はそれに気づかずにバカみたいに遊びまわっていたのだが、
母自身も理由付けばっかりして、本音を言わなかった。それが重なれば重なるほど、自分で自分の本音すら見えなくなる。
子供に苦労はさせたくないし、してもらいたくない、でも、あんたの人生だから、しょうがないね。
って、いつしか諦めて、応援してくれた。
その頃から母が世間体とか言わなくなった。
母に関しては今からどんな風に親孝行しようかとか、考えて本当にワクワクしてるんだけど、
まぁ、こんなこと思い出したのも、
今子供が小学生で、地域の活動とか
真面目に参加しちゃったりしてるんですが、
地域のスポーツの大会の打ち上げで、
ママさん達と夜ご飯食べに行った帰りに、
この前妊娠したお母さんの話が出てきて、
最近高齢出産は、めずらしくないって思うんですよね。
うちの地域のママさんは、キャリアウーマンだった人が多くて、晩婚で、
私なんかは全然若い方で、他はみんな40代とか、下手すれば50代のママさんとかなんです。
一人のママさんが突然、
『私、この歳で子供できたら、恥ずかしくて産めない~笑』
『正直さ、妊娠したってビックリってゆうか、普通産まないよね~』
『私だったらすぐに病院行って誰にも知られないうちに降ろすわ。』
って言ったんです。
すごくショックを受けました。
世間体のために、命の方を捨てる世の中になってるんだなって。
私の母は、
世間体といいながらその奥には私達のことを思いやる気持ちがありましたが、
このママさんの言葉からそれは感じられませんでした。むしろ、自分のことしか考えてないと思いました。
全然経済的にも裕福な家庭ですし、
バリバリ仕事される元気な方です。
二人の子を持つお母さんです。
私は母にとっては、たぶん兄弟のなかで1番やんちゃで心配させたと思いますが、
それと同時に、母が長年作り上げた世間体を打ち破って、大事なことに気づかせるための存在でもあったと思うんです。
だから、このママさんのお子さんが成長して、
今の世間体を打ち破ることができたり、
何かがきっかけで気づいてくれることを願っています。
同じ世間体でも、中身に愛があるかないかでこんなにも違う。
本当に大事なことを、あなたは忘れてしまっていないでしょうか。