硬式野球は怪我をする、は大人の認識不足。

高校で野球をするのなら出来るだけ早く硬式野球に慣れましょう。と言うハナシです。

こんな記事がありました。

「硬式野球難民」を救え元プロ、中学生の背中押す(2015/9/4 日本経済新聞)

経済的理由や環境的理由、選択肢の一つとして中学まで軟式野球をする選手は多いと思います。

しかし、高校で野球をするにあたり「軟式野球」→「硬式野球」へ移行をしっかり考え取り組んで欲しいと思います。

この移行期を上手く過ごす事ができないと高校入学直後などに故障をするケースは多いと思います。

私がPL学園に入学した時も軟式野球上がりの選手達は苦労していました。彼らも中学軟式野球ではトップの選手達でしたがその差は大きかったと話していました。

高校入学直後に硬式慣れしている選手とのギャップを感じ焦って無理をしたりする事のないように中学軟式野球部引退から入学までの期間にしっかり慣れておいて欲しい所と思います。

一方、中学までに硬式野球をしている選手でも練習や試合での投球頻度、トレーニング、ケアにも気を付けて欲しいですね。

そもそも、アメリカには軟式野球と言う文化がなく小学生からリトルリーグなどで硬式野球を楽しんでいます。しかし、スクールゾーンがスクールバスで送り迎えしなくてはならない程広く放課後に子どもたちだけで集まって練習できる環境は多くありません。その為、平日は親が相手をしたりベースボールスクール(野球塾、野球教室など)に通うなど個人練習に充てられる事が多いようです。ですから、チームでの活動は週末に集まってゲームをするだけだったり、投球数も日本の少年野球に比べ抑えらるなど配慮されています。

ですから、日本でよく耳にする「硬式野球は故障する」と言う思い込は大人の認識不足だと思います。どんなカタチでも良いので大きな故障にならない対処、環境作りをしてあげる事が大切ですね。

当然、軟式野球と同じ頻度で硬式野球をすれば故障も増えると思いますが、逆に「軟式野球だから故障しない」と思い込む事も危険です。軟式野球でも故障はします。

軟式野球は体力のない子どもたちでも楽しめる分、硬式を投げるには適さない投げ方でも投げれてしまいます。軟式野球をしている際には故障をしていなくても硬式野球に移行した際に故障に繋がることは少なくないでしょう。

そんな背景から高校入学時、軟式野球から硬式野球に移行する際に故障が多いというのは頷けます。その原因は移行期の対処が上手く出来ていないからです。引退後の選手達のケアなど、その移行期のサポートをしてあげれる大人が極端に少ないのが見逃されている問題だと思います。(＊沖縄で実施されている育成会活動なんかは素晴らしい活動なので全国に広まって欲しいところです。)

本来、野球とはプロ野球のように《硬式球を投げ木製バットで打つ》ものです。多くのスキルなどの情報はここを基準に流れています。(だから、軟式野球の場合にはこれが当てはまらないことが多い)

しかし、日本の野球では子どもになればなるほどそこから離れています。金属バット、軟式野球、B球、C球と…。もちろん、子どもの体力やカラダのの大きさに合わせてあげることは良いことです。ただ、目指す野球に近づくためにはそのズレを修正していくことから目を反らすことは出来ませんね。

どうかこの事に気付き移行をスムーズに行い、大きな故障で野球人生を諦めてしまわないよう努めて欲しいと思います。

感覚的なモノを知ることの他、硬式野球のリスク、硬式野球でも故障をしない投げ方の習得、硬式野球をするために今、必要な体力作りやケアの方法を学んでおいて欲しいからです。

もちろん、上手くなることは大前提ですが故障をせずに野球人生をより良いものにして欲しいと願います。

日本の野球界を背負って立つ野球少年達の体と心を守りながら育てて行けると良いですね(*^^*)

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