151011 演劇女子部ミュージカル『サンクユーベリーベリー』 | カバオの現場探訪記

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つばきファクトリー主演、演劇女子部ミュージカル『サンクユーベリーベリー』





11日の朝公演に行ってまいりました。

つばきファクトリー初主演にして、須藤茉麻が初めて演出を手がけたミュージカル。Berryz工房が6年前に演じた舞台のリメイクですが、そっちは見ていないので、僕とっては新作でした。

こぶしファクトリーの『WEEKEND SURVIVOR』以来の池袋グリーンシアター。後ろの方の真ん中あたりという、舞台全体を見渡すのにちょうどいい席でした。

もともとベリがやったものというのはあるにせよ、こぶしに比べるとまず脚本が良かった。ハロメン年代の女の子が演じるのに、ピタッとハマるものでしたね。伏線もそんなに複雑なものはなかった、総じてわかりやすかったなと思います。

劇中を通して光っていたのは、まず浅倉樹々。セリフによって巧拙に多少のばらつきはありましたが、まとっている空気がとにかく本物。怒りや悲しみの表現は、とにかく胸に迫ってきました。

彼女のお披露目だった生タマゴからずっと見てますが、初登場の衝撃に比べて、つばき結成後はやや伸び悩みの印象がありました。どっこい、今回は一皮むけたという感じです。

サンクユーベリーベリーは彼女が演じる学子(さとこ)の成長の物語ですが役と一緒に樹々ちゃん自身も成長したように思えました。この表現力が歌やダンスにつながっていったらと考えると、とても楽しみです。

それからもう一人、岸本ゆめのがとても良かったです。葉子という役や、脚本、演出に対する理解度が高いなと感じました。セリフがないときの表情や所作から役に入りきっていることが伝わってきます。

中でも、学子を自宅に迎えたシーンはその真骨頂でした。並んで食事をする場面、布団を並べて話をする場面。そうだよな、葉子ってこういう「厳しく優しい子なんだよ」と。個人的に一番好きなシーンでもあります。

おとなしいメンバーが多いつばきの中ではやや浮いてるのでは?と心配になることもあるきしもんですが、葉子と同じように、仲間に全力で向かい合ってグループを高めていってほしいなと思います。

そしてそして、この2人を差し置いて一番破壊力があったのは山岸理子です。これもう、見てくださいとか言えない。母親が入院して妹4人の面倒をみる貧乏な苦学生眞佳が、もう、ドハマり。この舞台で一番の当たり役でした。

妹からの電話を受けるシーンなんて、もう泣きそうでしたよ。ビジュアルも、苦学生らしい私服と、上の生写真のような弁天の制服、どちらも抜群に似合う。前者は素朴な魅力が、後者は人形のようなかわいさが爆発してました。

つばきのリーダー、とはいえグイグイ引っ張るタイプではないので、苦労していると思います。ただ、彼女の人間的な成長はそのままつばきのグループとしての団結につながっていくはずなので、これからも応援します。

他のメンバーのことも少し触れておきます。

新沼希空もフランス人形みたいなビジュアルがハマってましたね。一方で、演技初挑戦で苦労の跡がうかがえました。研修生時代から、いいときはエース級なのに、ダメなときはずっこけるくらいダメという子です。そこは魅力ではあるんですが、もう少し安定してきたら楽しみです。

小片リサ。なんでりさまる。が男役?と思ったけど、見てみたら意外とすんなり入りました。眞佳に惚れるところもよく出来てました。歌もダンスも一定レベル以上はある子なので、あとはキャラクターかなあ。

未完の大器、谷本安美。いや、大器なのかどうかもよくわかりません。決して演技が下手なわけじゃないけど、たまにハッとするセリフも本人がどこまで理解してやっているのか謎です。僕の中で、まだ要経過観察案件です。

最後に、須藤茉麻。TRIANGLEに続く男役。今回は演出も担当し、茉麻自身にも挑戦だった舞台だと思います。見ていて「ん?」と思うところがないではないですが、終わったら忘れた程度のものです。

やっぱり舞台上に茉麻がいると安心感がありますね。次は男役じゃない演技を見たいなあ。

ということで、文中にも書きましたが、この舞台を通じてつばきのグループ内の関係が深まっていればいいなと思います。とにかく、ぶつかり合うくらいお互いをさらけ出して、いいユニットになってほしいですね。

長くなりましたがこの辺でー。