StellanovaのUSB-DAC APS-DA101の内部を紹介 | パイオニアStellanovaとBDドライブのブログ

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年末は時間が過ぎるのが早いですね。
毎日、あせあせしているトールKです。
(;^_^A

今週末の12月19日(土)、20日(日)とベルサール秋葉原でポタフェス2015が開催されます。もちろん、StellanovaUSB-DAC APS-DA101もヘッドフォンアンプとして出展しますよ。
(Stellanovaをまだ知らないってかたは→「Stellanovaって何?」を見てくださいね。)

これまでステラノヴァの製品内部に関してはほとんど書いていませんでしたが
APS-DA101単品のUSB-DACとしてもこだわっているところがいくつもあるので、今回ここで紹介させていただきたいと思います。
(Net Audio 2015年冬号ではかなり詳しい記事を書いていただきました。参考まで。)

高いお金を出してでもいいUSB-DACを!と言う方には当たり前の部分かも知れませんが、USB-DACを初めて購入検討されてる方、エントリー機を探されている方、セカンド機を探されている方などには、Stellanovaはこの価格帯で十分過ぎるぐらいの性能/機能を詰め込んでいるので、是非ご検討いただければと思います。

(USB-DAC??という人はこちらを参照してくださいね。)USB-DACアンプの使い方

では今回はこだわりの6ポイントを紹介させていただきます。

①USB-DACアンプ APS-DA101の内部
まずは、製品内部の写真から(ほぼ初公開)。コンパクトなボディながらトッププレートおよびフレームに約2.8mm厚のアルミを採用しています。

やはり
余計な振動は音質悪化の原因となるため、設計構想時点で出来る限り考慮し、この厚さに決めました。アルミでコストもかかるため、この製品サイズではあまり採用されない異例の厚さです。

そのアルミのトッププレートにオーディオ基板を6本のネジでガッチリ固定する構造で、振動を押さえ込んでいます。


②USB-DAC部

製品内部写真左側の大きいIC(黄色い)がホストからのUSBオーディオ信号をデジタル処理するC674x系Digital Signal Processor(通称DSP)です。DSDの権威であるインターフェイス社と共同で開発した心臓部であり、ハイレゾおよびDSDで評価の高いそのファームウエアとステラノヴァ独自の機能をミックスして、このDSPに組み込みました。USB-DACとして、非常に安定した動作ができています。

ハイレゾ
384KHz/32bitまで動作可能(スペックは192KHzと記載していますが、384KHzまで実動作確認しています)で、DSDも5.6MHzDoP方式とさらにNative再生にも対応しています。この価格帯でDSDのNative再生まで対応しているUSB-DACは少ないのではないでしょうか。また、このスペックならe-ONKYOやmoraの音楽配信サイトの楽曲のほとんどに対応できていると思います。

③入力セレクターをフルデジタル化
Stellanova APS-DA101USB-DAC以外にもBluetooth光デジタル入力アナログ入力(AUX)と多彩な入力を備えており、様々な音楽機器と接続可能な仕様となっています。


が、その便利さの反面、音質面から考えるとノイズの進入経路が増えるとも言えるのです。

そこで、APS-DA101では、デジタルセレクター用LSIを新規開発し、各入力信号の切り替えを完全にデジタル化しました。アナログ入力(AUX)も一旦デジタルに変換し、デジタルで切り替えた後にアナログに変換しています。

ノイズに敏感な
アナログ段の回路にセレクターを持たせるとどうしてもノイズを進入させる原因となってしまいますので、それを回避するために入力切替をデジタル化してアナログ段の回路からセレクターを排除したシンプルな構成としました。これにより、多彩な入力に対応しながらもクリアで広がりのある心地よいサウンドを実現しています。


④D/AコンバーターとI/V変換
やはり性能と音質に大きく関わってくるのが、D/Aコンバーターとその電流出力を電圧に変換するI/V変換回路です。


「D/Aコンバーター」
D/Aコンバーターには、DSD5.6MHz、実力384KHz/32bitのハイレゾ音源まで再生可能なTI製PCM1795を採用しました。音楽ファイルのデジタル信号をアナログに戻すまでの経路において、データを加工することなくストレートにDACに伝送しています。

デジタル信号からアナログ信号への変換は内部的な処理なので、カタログなどの製品スペックからはわかりません。異なる方式としては、DSD信号を製品内部でPCMに変換してからアナログに変換する手法もあります。しかしAPS-DA101では、アナログに変換するD/AコンバーターまでDSD信号そのままで伝送する方式を採っています。

ハイレゾ音源の持つポテンシャルを最大限に引き出すためには、
音源そのままのデータをアナログに変換する事が最善と考えたからです。

「I/V変換&アナログ回路」
I-V変換後のアナログ信号は、デジタルアンプまでのすべての経路を左右独立した差動回路で伝送する回路構成としました。左右独立する事でチャンネル間セパレーションを確保し、差動回路で伝送する事により同相ノイズをキャンセルできるので、深みのある解像度の高い音に仕上がりました。

I-V変換には、
低ノイズ・低歪率・高スルーレートTI製J-FETオペアンプを使用しています。オペアンプも音質を大きく左右しますので、オーディオ部品としては重要な要素のひとつです。

ビットパーフェクトの実現。
音量情報はiPhoneやPCと相互共有。

APS-DA101は、DSDやハイレゾ音源の再生まで、すべてビットパーフェクトを実現しています。

アプリでボリュームコントロールができる事はとても便利ですが、アプリで音源データをアッテネートしてしまったら音質の劣化を招いてしまいます。操作しやすさと音質を両立させるため、APS-DA101では、アプリで音源データをアッテネートすることなく、
音量情報をホスト側とやり取りし、アナログ変換後にアッテネートする仕組みを盛り込んでいます。

iPhoneやPCと本機のロータリーエンコーダーが相互に連携して動作するようにしていますので、アプリでボリュームコントロールしたような便利さを体験していただけると思います。

また音量コントロール部は操作感を重視し、アルミ製ロータリーエンコーダーを採用しました。



⑥L/R独立のアナログ回路とヘッドフォンアンプ
最後にポタフェスに向けて「ヘッドフォンでも聴いて欲しい」との思いから、アナログ回路とヘッドフォンアンプの説明をしたいと思います。

「音質コンデンサ」
オーディオ専用パーツであるルビコン社製の薄膜高分子積層コンデンサー
「PML MUコンデンサー」を各ポイントに採用しました。メッキに磁気歪みのない非磁性体を使用するなど細部に至るまで音質への配慮を徹底した高音質部品です。磁気は電流に変換されノイズとなるので、各社上級機種ではこのようなコンデンサが使用されることが多いです。

本機では、そのコンデンサをカップリングコンデンサだけでなく電源デカップリングコンデンサローパスフィルター部にも使用することで、ハイレゾの情報量の多さを十分に再現することができました。もちろんヘッドフォンアンプ周辺にも使用しています。



「ヘッドフォン回路」
I-V変換後のアナログ信号は、スピーカーへの経路だけでなく、ヘッドフォンアンプへの経路も左右独立した差動回路で伝送し、ノイズの影響に配慮しました。また、ヘッドフォンアンプの出力は、バイパスコンデンサが不要な方式を採用し低音再生特性を向上高域も40KHz以上の帯域があるためハイレゾ音源を高いクォリティで再生できていると思います。
(^-^)/

今回の説明の中には専門用語なども使用しているため、少し馴染みのない用語もあったかと思います。
詳しい説明は、また今度、担当設計者が書いてくれる・・・よね?
(えっ・・)
・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

「是非、ポタフェスでAPS-DA101を試聴してほしい」と思ってます。どうぞよろしく。
(*^▽^*)