「構造改革」って何だろう?

あの小泉純一郎氏ですら、構造改革を具体的に説明出来なかったと暗黒方面からのお話があった記憶です。


名著『構造改革論の誤解』(野口旭,田中秀臣, 2001.12.01 Kindle版:2014.08.30)  で定義されているので引用します。

"構造改革とは何か
資源配分の効率性改善へのインセンティブを生み出すような各種の制度改革のことであり、具体的には、公的企業の民営化、政府規制の緩和、貿易制限の撤廃、独占企業の分割による競争促進政策などがそれにあたる。それによって、一国経済において、資本や労働という生産資源の配分が適正化され、既存の生産資源配分の下でより効率的な生産が達成される。すなわち、潜在GDPないしは潜在成長率が上昇する。"

資源配分の適正化という供給側の政策なのですね。


構造改革によって不況から脱出できる、というのは誤解であって、不況から脱出するには総需要を増やす金融政策と財政政策が大事なのですね。

小泉純一郎氏の「構造改革なくして景気回復なし」というのは、スローガンとしては覚え易くても、政策割当としては間違いだったのですね。