オランダの動物愛護団体とドイツの研究グループの合同調査で、子ども服にあしらわれたタヌキやコヨーテの毛皮から高レベルの発がん性物質が検出され、その残酷性だけではない、毛皮生産の問題点が改めて浮き彫りになりました。




<記事元>


PETA

It Looks Like Fur Is Toxic as Well as Cruel


Fur Free Alliance

Fur on children’s wear full of toxics


より翻訳。



調査の結果、Canada Goose, Versano, Woolrich, Nickelson, Airforceといったメジャーなブランドが販売している子ども用の上着にあしらわれた毛皮から、高レベルのホルムアルデヒドと、界面活性剤の一種であるアルコールエトキシレートが検出されました。




※毛皮は、動物から剥ぎ取られた後、化学的に加工しなければならない。毛皮は死んだ動物の一部であるため、菌やバクテリアなどから保護しなくてはならないのだ。界面活性剤と脂肪、溶媒、酸、タンニン、殺生物剤、殺菌剤、染料と漂白剤などの混合なめし剤が使われる。


使われる有害な化学薬品は、例えば、環境および人体への影響がある六価クロム やホルムアルデヒドが含まれる。
中国で増加している
「がんの村」 の原因の一つである。

アニマルライツセンター より)



ホルムアルデヒドの人体への毒性の強さは有名で、発ガン性がある物質として指定されており、刺激性が強く、呼吸器や眼や鼻などに炎症を起こします。


アルコールエトキシレートはホルモンバランスを乱す性質があり、20年以上も体内に留まることもあります。


こうした有害物質は皮膚から吸収されて血液に乗って体内に入り、その後数年間に渡り体内に留まり、慢性的な健康被害を引き起こします。


子どもの場合、免疫システムが十分に発達していないため、大人に比べてその影響はより大きいとされています。


今回調査対象となった毛皮商品からは、いずれも欧州玩具安全指令が定める基準を超えるホルムアルデヒドとアルコールエトキシレートが検出されています。






毛皮産業も小売業者も、毛皮は持続可能な天然の資源と謳っているものの、実際には環境や人体への汚染やエネルギー消費が甚だしく、極めて不自然な行程で生産されるものであることがわかります。


調査に関わった愛護団体の関係者は、「毛皮の生産工程が、私たちの健康を脅かしていることが明らかになった。ましてや、子どもへの影響を考えれば事態は深刻。今回の調査結果が、政府が必要なアクションを起こすきっかけとなることを願う」とコメントしています。


また、アムステルダムのVU大学の毒物学者は、「毛皮を身にまとうことが健康に与える影響が危惧される調査結果。これにより、こうした物質の基準値の見直し、さらには毛皮生産そのものの禁止につながる可能性もある」と指摘しています。



以下は、アニマルライツセンターさんより。(クリックでそれぞれの記事に飛べます)

http://www.no-fur.org/about/kankyo/

環境への負荷




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