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『日本の亡国を防ぐために①』三橋貴明 AJER2015.9.15(5)

https://youtu.be/oN59AffMGQE

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 昨日、大阪での講演タイトルは、
「強い経済が強い日本をつくる~経済リテラシーを高めよ!~」
 だったのですが、タイトルは事前に(かなり前)にお客様が決められたもので、例の安倍政権の新・三本の矢ならぬ「三つの的」とは関係ありません。


 さて、上記の「経済リテラシー」ですが、日本語にすると「経済読み取り能力」になります。リテラシー、読み取り能力とは何かといえば、実は「言葉の概念」について正しく知ることに他なりません。


 現在の日本が未だにデフレ脱却を果たせず、下手をすると二年連続でリセッションに突入している可能性が高い理由は、安倍政権が「デフレという言葉の概念」を間違えたためです。


 具体的には、
「総需要の不足」
 であるデフレーションについて、
デフレは貨幣現象」
 と間違った言葉を使ってしまったことが、致命的でした


 デフレは貨幣現象、では、単純に「おカネを日本銀行が発行すれば、デフレ脱却できる」と多くの人が勘違いをしてしまいます。しかも、消費税を増税しても、構わないことになります。消費税増税は需要を縮小させますが、何しろデフレは貨幣現象でしょ、という話です。


 とはいえ、日本銀行がおカネを発行する際に購入するのは国債です。国債は、生産者が生産する付加価値(モノ・サービス)ではありません。


 そして、インフレ率とは付加価値(モノ・サービス)の価格の変動なのです。日本銀行がマネタリーベースを増やす「だけ」では、インフレ率は何の影響も受けません。


 あくまで、モノやサービスという付加価値が買われて初めて、インフレ率は上昇します


 先日のチャンネル桜の討論で、高橋洋一先生が、
「インフレ・デフレは、おカネとモノのバランスで決まる。おカネがモノよりも多ければインフレ」
 という主旨のことを仰った際に、藤井先生とわたくしが、即座に、同時に、
(藤井先生)「先生、それ、アクティブマネーの話ですよね
(三橋)「あくまで、モノやサービスの購入に使われるおカネのことですよね
 と突っ込み、高橋先生も「その通り」と認めていらっしゃましたが、ここの理解は極めて重要になります。デフレから脱却するためには、モノやサービスの購入に使われるアクティブマネーが増えなければなりません。


 アクティブマネーとは、モノやサービスの購入に使われるおカネ。つまりは、名目GDPのことです。そして、名目GDPは「総需要」です。つまり、デフレは貨幣現象ではなく、総需要の不足なのです


月例経済報告 景気判断1年ぶり下方修正
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151014/k10010269481000.html
 政府は今月の月例経済報告で景気の現状について、緩やかな回復基調は続いているものの、中国経済の減速の影響で企業の生産が減っていることなどから「一部に弱さも見られる」とし、景気判断を1年ぶりに下方修正しました
 政府がまとめた今月の月例経済報告によりますと、企業の生産は、中国経済の減速の影響などで自動車や電子部品が減少していることから、「このところ横ばいとなっている」という先月の判断を「このところ弱含んでいる」に下方修正しました。

 また個人消費は、「底堅い動き」としながらも消費者マインドの持ち直しに足踏みが見られるとし、企業の設備投資も、「持ち直しの動きが見られる」ものの先行指標となる主な機械メーカーの受注額がこのところ弱含んでいるとしています。
 こうしたことから政府は景気の現状について、緩やかな回復基調は続いているものの「このところ一部に弱さも見られる」とし、景気判断を下方修正しました。下方修正は消費増税の影響などで判断を引き下げた去年10月以来、1年ぶりです。
 一方、景気の先行きについて政府はアメリカが利上げを検討していることを踏まえ、「アメリカの金融政策が正常化に向かうなか、中国をはじめとするアジアの新興国などの景気が下振れし、日本の景気が下押しされるリスクがある」として海外経済の動向に懸念を示しました。(後略) 』


 鉱工業生産指数や機械受注を見る限り、15年の7-9月期は実質GDPが対前期比でマイナスになる可能性が高いと思います。4-6月期に引き続き、二期連続でマイナス成長。すなわち、リセッションです


 安倍政権は、あるいは安倍総理は、経済政策について「失敗した」という現実をきちんと見なければなりません。二年連続で国民経済をリセッションに叩き込み、実質賃金を政権発足時から5%も叩き落した政権が「経済政策は巧くいっている」と思い込むなど、妄想大好きな韓国人にすら笑われる妄想です。


 ついでに書いておくと、NHKの記事にある「緩やかな回復基調は続いている」も、やはり妄想です。リセッションに突入している国が、なんで「緩やかな回復基調」なんですか。それとも、ここでいう「回復」という言葉の概念は、GDP以外のものを指すのですか?


 安倍政権が、妄想にすがらざるを得ない理由は、デフレについて「言葉の概念」を間違えたためです。逆に言えば、正しくデフレという言葉の概念を理解すれば、正しい政策を打てるはずです。

 「財政破綻」「国の借金」もそうですが、言葉の概念を正しく知らずに物事を進めようとしても、解決の方向には絶対に進まないのです。



「言葉を正しく理解し、物事を前に進めよう」に、共感下さる方は、↓このリンクをクリックを!
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