愛は正しくて | 江口昌記の 月のうさぎ

愛は正しくて


考えてみたんだ
きみが持ち込んだ疑問は
朝もやに浮かぶハシケに
どんな意味を持つんだろうかって

ひとつわかったことは
ぼくはもう未来を夢見たぼくではなくて
きみがもう明日を知ることができないんだと


希望が空にあるから
人はトライを重ねていけるんだ

それは
強い人だといわれるキミが
ただ「そこでは泣かない人」ということと
同じ意味なんだ

だから空を胸のポケットに抱いて
帽子はちょっとななめにかぶって
愛あるときに生きよう

風の向こうのあたたかくて
はじけるような呼び声はキミに
まちがっていたことなんて
決してないんだよと云っているんだ

からッ風に突っ込んでいった幼い日
こんなにも遠くに来れるなんて
思わなかった
愛がこんなにも続くものだとなんて
わからなかったんだものね

キミはつぶやく
次のGSで給油ね

ゆうべの夜は冷えたから
いま届けたいのは
温かいスープと大きな白いマクラさ
きっといまならキミは
ぼくが見たこともないような寝顔になれるだろうよ

愛は正しくて
愛は規律を作る
その真実はあたたかくて
だれの心もつかむもの

だからもう
おかしかった昨日のことは忘れなさい

ぼくののぞみは
すべてのトラブルが消え
ひとびとが誇りをとりもどし
世界がまた
コウノトリが希望を運ぶ夢に
満たされることさ


そしてキミが
その世界にいますように 。







愛は正しくて

Photo by Wood Fairy / Pinc Floit





0572015