「遅発性PTSD」の存在でわかったこと、「薬ばらまき(DPAT)」はトラウマを製造する | 精神科医ブログ、長崎広島原爆・福島原発・コロナ・第二次大戦・北朝鮮ロシア核・児童虐待・DV・レイプ複雑性PTSDの薬物療法

「遅発性PTSD」の存在でわかったこと、「薬ばらまき(DPAT)」はトラウマを製造する

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イラク帰還PTSD兵士の膨大な症例が教えてくれたことは、「遅発性である」「フラッシュバックで私はPTSDです、なんて患者が教えてはくれない」ということである。

DSMの「外傷体験→急性ストレス障害→PTSD」という発病モデルに基づき、「薬ばらまき」で「ケア(予防)」 するというDPAT治療モデルは間違いであり、事態を悪化させるということである。「無意識」に潜伏した「外傷記憶」が向精神薬の抑圧により「トラウマ(病原外傷記憶)化」するのである。

私は2004年の最初の論文発表(治療は2002年から)から「遅発性」はおろか「晩発性」もわかっていたけどね。

安倍晋三により潰されたDPATが復活する時に、遅発性PTSDモデルに基づいた「心のケア」が実行されるだろうか。


「睡眠薬制限強化後も抗不安薬にスライド」医療経済研究機構:毎日新聞


日常診療においても薬でトラウマを押さえ込もう押さえ込もうとしかしてないからね。

ゼロからの再出発ではなくて、マイナス100パーセントからの再出発である。