ガルバリウム鋼板からの壁面汚染の様子です。

ガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%から成る、アルミ亜鉛合金めっき鋼板ですが、本物件のようなクリアー生地仕上げの場合、クリアー層が比較的早くダメージを受けて素材がむき出しになります。

特殊な事情(切り口、ビス&釘止め部分、飛散物質からのもらい錆び、電食錆び)がなければ錆びることは建物維持後半戦で出るかどうかの素材で塗装をする必要があまり無い素材です。

しかしながら、錆びにくいだけで錆びますし、夏場この素材も素材表面温度が60度を越えてきますから、建物の作りによってはお部屋が暑いと言うことで、遮熱や断熱塗装をすることも多い素材です。


さて、脱線しましたが、クリアー層がダメージを受けると汚れが激しくなるのがこのガルバリウム鋼板。

塗装で汚れの滑走が良かったものが、クリアー剥離で滑走性が失われ、こびりつきが起こります。

アルミ特有の吹き出すような白いざらざら錆びのようなもの(新品の一円玉と使い古しの一円玉の違いを思い浮かべてください。あの白濁したものが錆びです)が全体に広がりますから、その凹凸に汚れが噛むようになるわけです。

今回は屋根を未塗装という段取りですが、笠木状に設置されたガルバリウム鋼板部分は塗らねばなりません。

ここを放置すると一年も経たず壁面汚れが復活するので。




取り合えず、研磨をして除去しました。
ラムダは未塗装の生地状態では表層についた汚れは研磨で落ちますが、深層部まで浸透した汚れは落ちません。

またアルカリが強く発生する材料のため、通常の塗布工程では剥がれます。

ガルバリウム鋼板も適用できる下塗り材が限られ、全面研磨を徹底しないと剥がれます。

共に安易に塗装できない素材のため、材料選定や作業工程をしっかり組めない業者さんには絶対に頼んではいけません。

失敗すると全面剥離をかける必要もありますから、慎重に業者選定を行ってください。

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