「今日子と修一の場合」未来を無くした男と女が、震災により一歩踏み出し始めるお話です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「今日子と修一の場合」を観てきました。


ストーリーは、

同居している男の言いなりで心身共に束縛される生活を送る今日子(安藤サクラ)と、母親を助けるために父を殺害した修一(柄本佑)。それぞれの事情で故郷に帰れない彼らが過去を清算すべく東京で生活する中、突然地震が発生する。そしてテレビには、掛け替えのない故郷が巨大な津波にのみ込まれる様子が映し出されていた……。
というお話です。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-今日子と

そろそろ、震災の話は、悲しみでは無く、未来に歩き始める起点となったという話が観たいなぁと思っていたのですが、この映画で、一人は、震災によって、全てを洗われ、新しい道を歩き始められるのではないかなという気持ちにさせてくれるようなお話でした。良かった。もう、悲しいとか、失くしたとか、いつまでそんな事を言っていても、何も始まらないよって言いたくなってきたところだったんです。折角、命があるんだから、気持ちを切り替えて行かないと、これから生まれてくる子供たちが可哀想。だから、ちょっと嬉しくなりました。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-今日子と

まず、今日子のお話から行きましょうか。保険の外交員で枕営業は当たり前という世界に入ってしまった今日子。夫が病気にならなければ、そんな事までしなくても良かったのに、夫と子供、夫の両親を抱え、仕方なかったんです。でも、普通、保険の外交員として働くなら、そんな事、当たり前だよねぇ。親だって夫だって、解ってたでしょ。面倒見て貰ってたくせに、酷い人たちだなぁと思いました。だから、保険の外交員は、自分の住んでいる地域ではやらないハズなんだけどねぇ。

そんな訳で、枕営業がバレてしまい、家族に家を追い出されてしまいます。もちろん、子供も取られてしまうんです。行くところも無くなり、仕方なく東京へ出てきた今日子。渋谷で歩いているところを、怪しげな男にスカウトされ、ホテトルとして働くことに。自縛放棄になっていた彼女は、何も考えずに毎日を過ごしていたのですが、ある日、あの東日本大震災が襲ってきます。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-今日子と

全てを失ったと思っていた彼女ですが、東北に居る子供の事が気になり、ある事を片づけて、東北へ向かうんです。失くしたと思っていたけど、やっぱり気になるし、取り返しがつかないと解っていても、向かわずに居られない母親の彼女がそこに居て、そうだろうなぁと思ってしまいました。

次に修一の話ですが、彼は、リストラされ、母親に暴力を振るう父親を、喧嘩の弾みで殺してしまいます。罪を償い、刑務所から出てきた彼を、保護司が食事に誘い、ラーメンを食べているところに、大震災が起こります。東北の実家に居る母親は行方不明となり、保護司は、直ぐに東北へ行って、母親を探すように進めますが、修一は、起こってしまった事は仕方がないと言い、行くのを拒みます。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-今日子と

きっと修一は、自分の未来を決めて、報告が出来るようにならなければ、母親に顔を合わせられないと思っていたのではないかと思いました。彼なりのけじめだったのだと思います。色々な事を乗り越え、1年間勉強をして、大学合格が決まって、やっと、母親を探しに行くことにします。起こった事は仕方がない、流れてしまった事は仕方がない、新しい道を探さなければという彼の姿が、とても印象的で、素晴らしいと思いました。何があっても、未来は続いていくんです。振り返るのは止めて、前を向いて歩くという考え方は、誰もが必要なのではないかと思います。

こんな2人の姿は、最後の最後、震災にあった東北で交差する事になります。本当に、すれ違うだけなんですけどね。でも、きっと、2人とも、振り向くことは止めて、前を向いて歩き出すのだろうという気持ちが、その表情に読み取れて、私は、良かったと思いました。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-今日子と

ただ、これ、2人の時間軸が、ちょっと辻褄が合わないような気がしたのは、私だけなんでしょうか。修一は一年かけて勉強をしたけど、今日子は、何してたのかな。震災の時に起きたアクシデントを片づけていたのかしら。ちょっと不思議でした。


良い映画だと思うのですが、もう少し、そぎ落とした方が、より万人に見やすくなるのではないかなと思いました。ちょっと、途中で疲れてしまうんですよね。話が切り替わるので、何とか盛り返しますが、やっぱり、長いと感じてしまいました。

サクラさんと佑さんの演技は、なんか、もう、観ているだけで、泣けてきそうな程、その気持ちが伝わってきて、凄い2人が結婚したもんだって思っちゃいました。(笑)

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-今日子と

私は、お勧めしたい作品ではあるけど、ちょっと長くて辛くなるかも知れないです。でも、震災が辛かったとかいう、お決まりのドキュメンタリーとは違い、未来に向かってくれるので、希望が持てる作品だなって思いました。ゆっくり観に行って、途中でウトウトしてもいいやっていうくらいの気持ちで観ていると、とても楽しめる作品だと思います。ぜひ、観て欲しいです。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




今日子と修一の場合@ぴあ映画生活



↓2人が出ている、私のお勧め作品よ。(*^。^*)


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