昨日、愛用のダウンジャケットから毎秒16発の放射線が検出された話を投稿しましたが、
服に付着した放射能ついては、
CRMS南相馬・市民放射線測定が、いろいろと測ってくれています。
CRMS南相馬代表の吉田邦博さんの講演から、
衣類に付着した放射能についての部分を書き起こししてみました。
すごく参考になりましたので、
よかったら読んでみてください。
※書き起こした動画は、昨年2013年10月に、沖縄県豊見城市で開かれた講演会になります。
(主催:つなごう命~沖縄と被災地をむすぶ会)
動画:https://www.youtube.com/watch?v=xwKsCpvgiAY
30分~
講師:吉田邦博氏
(福島県南相馬市で)私の着ているトレーナーを測ってみたら、
一番最初は130ベクレル。
これ一枚でですね。
一秒間に130本のガンマー線と、
130本より多いですね、
2倍ぐらいあるかな。
まあ200本近くのベータ線と・・・
普通の外部被ばくだと、
まあガンマ線だけで終わってしまうんですけれども、
肌が近い、距離が近いと、
今度はあまり距離が飛ばない
「ベータ―線」という放射線を全部受けてしまうので、
それを合算すると、まあ当然倍以上になってしまうという。
しかもそれをですよ、何回か、他の洗濯物と混ぜて洗ってみたらですね、
174ベクレルと数値が増えている。
なんでだろうな?
いろいろやってみたんですけれども、
まあこれは日本放射線安全管理学会という、
こういう風な団体が天下りでしょうけれども、
洗濯物を一枚ですね、洗濯機にかけて洗って、
下がったから大丈夫ですというのを、隠れて発表していたんですね。
知らないうちにね。
しかし、作業着一枚だけを洗っているので、ちょっとうちらのデーターとは違っている。
それで、なぜ数値が上がったのか?ということで、
新品のシャツをですね、
測り間違ったのではないかと思い、新品のシャツを測ってみたんですけれど、
ゼロ。
というよりNDといった方がいいんですけれども、
たぶんゼロだと思います、新品なので。
これを普通の洗濯機に、他の洗濯物と一緒に入れて洗ったらですよ、
一回洗っただけでシャツ2枚で45ベクレル。
これが移動していたんですね、こっちに。
ようは、洗濯物がフィルターになって、
洗った衣服から、とれた放射性物質を、再度これが拾い上げている。
そういうことになっています。
それから外に干していた子供のシャツと、
室内で干していた子供のシャツと、
(測ってみたら)ほとんど大した差はなかったですね。
8ベクレルと、7ベクレルちょっと、
むしろ室内で干しているものの方が数値が高かった。
中で干そうが、
外で干そうが、
あまり大した差が基本的にはなかったというデーターですけれども。
私の自宅ので洗濯してすぐ干したらですね、
新品のシャツも、やっぱり20ベクレルぐらい検出しましたので、
まあ風の強い日なんかはダメなんだろうと思います。
これは郡山市の中学生のジャージのズボンを測ってみたんですけれども、
ズボン1枚から(1枚目)119ベクレル。
(2枚目)110ベクレル。
(3枚目)100ベクレル。
これは東京電力であればですね、とんでもないことになる数値なんです。
しかもこの半端なやつもですね
(どこが一番汚染されているのか場所別に測定)
80ベクレルぐらいある。
もうほとんど、お尻の部分に、
放射性物質があるということなんでしょうね。
100ベクレル、パー、ボディ(/body)っていうんですけれども。
パーボディー(/body)っていうのは、
その一枚から出ているということ。
パーキログラム(/kg)というのは、
1キロに換算したらどうかという計算の仕方なんですけれども、
パーボディーでこのぐらいあるので、
まあほとんどの子どもは(体育座りの時なんかは)
地面にお尻をついて座りますから、
オシリの部分に放射性物質がついている、
そこに集中しているということです。
で、100ベクレルを超えたものは、
低線量放射線廃棄物という形でですね、
黄色いドラム缶に管理されて捨てなければいけない。
法律上ではそういう風になっています。
このジャージも本当はこうしなければいけない。
これは郡山の方がですね、
除染に手伝いに来いって言われて、
子どもを連れてしぶしぶ言ったそうです。
いかないと非国民状態で、
その部落では生活できなくなるぐらいの勢いだったそうなので、
仕方ないから、
旦那さんは働きに行って小っちゃい子供いるので、
子どもと手つないでいった時に着ていた服らしいんですけれども、
こっちは除染には使っていない同じ型のヤッケです。
1枚あたり15ベクレル。
こっちは除染に一回使って、
その後も(普段着として使っていたので)何回も洗濯はしていますよというものなんですけれど、
測ってみたら52ベクレル。
もうこれから落ちない。
それから、南相馬市の髪の毛、
これは床屋さんからもらってきて、
かなりミックスされているものなんですけれども、
測ってみたら、
キロ当たりですね130ベクレル。
まあ男性だとどのぐらいでしょうね、髪の毛、
私なんかは100グラムぐらいなんでしょうかね。
まあ10分の1、
13ベクレルぐらいになるわけですね。
女性の方なんかは髪長くしていますから、
そういう方は多分これぐらいの数値はあるんじゃないかなと思います。
で、シャンプーではなかなか落ちないよという話を聞いたので、
シャンプーで洗ってみたら本当に落ちなかったですね。
3回洗ってNDになんなかったので、
じゃあなんだろう?何で洗えばいいのかなと思い、
食器用の洗剤で洗ったら見事に落ちました。
一発でND(不検出)。
これはちょっと現実的ではないので、
こんなのでやったら髪の毛ごわごわになっちゃいますから。
大変なことになりますけれども。
これは神奈川県のですね、
2011年3月11日に被っていた、
3月~4月に被っていたという帽子をいただいてですね、
洗っていないと言われたので、測ってみたらですね、
キロ当たり130ベクレルぐらいあるんですね。
神奈川でもこのぐらい汚染されている。
130ですから、先ほどの郡山の学生さんのジャージと同じ、それ以上ですね。
それぐらいの汚染が神奈川県でもあったと。
こっちは洗っていないですから、まあその分・・・
1時間10分~
東京電力では(作業員に)防護服を着なさいと指導しているわけですね。
それは着ている衣服に、余計な放射性物質をつけてですね、
被ばく量を増やさないようにしている。
ようは脱いだもの、
放射性物質はそこにおいてきなさいという、
持ち出さないという理念が入っているんですけれども、
私たちの服はどうなんだろう?汚染しているのかな?と思って測ってみたら、
1枚当たり170ベクレルですから、
当然東京電力だったら、ドラム缶に入れて捨てなければいけない。
でもあれは低レベルであっても、セメント詰めて、埋めるんですからね。
1時間12分~
さっきのデーターでは、中で干しても、外で干しても、一緒じゃんと。
じゃあどうしたらいいのということなんですけれども、
結局、ズボンとか靴下とか、
地面に近いものと一緒に洗わらないことが
大事なんじゃないかというのは、見えてきているんです。
要はお尻をついたりとかしているわけですから、
だから残念ながら、お父さんたちには申し訳ないんですけれども、
作業服とかですね、
そういうのと一緒に、なるべく下着とかは洗わないようにするとか、
そういうような方向がいいと思います。
で、実際に外側の服は高い。
ズボンも、オシリと、裾の方が高いですから、
そういうことが言えるんじゃないかなと。
で、新しいシャツを、つなぎと一緒に洗ったら、
一瞬でそうなってしまったわけで、洗い方ですね、
下着は下着だけで洗う。
外で干してもなかで干しても一緒になったという理由は、
おそらくある程度は取れるんですよ、洗濯機の中で、
でもまた再付着する。
だから干すのは中であっても、
外で来ている服を洗うわけですから、
洗濯機の中でさらに再付着するということになるのではないかなと思います。
(書き起こし終わり)
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(リポート 福島県郡山市 フクシマン・マサ)