アベノミクスと所得倍増 | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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安倍晋三応援ブログです。
やっと明るい未来を語る政治家が総理大臣になりました。しかし、闘いはまだまだこれから。子や孫が希望を持てる国になることを願うおやじです。

今日のタイトルは、あの毎日新聞の中では比較的保守的とされる岩見隆夫氏のコラム『近聞遠見』のタイトルをそのまま借用した。50年以上も前の池田勇人首相による所得倍増計画とアベノミクスを、あまり知られていない事実を紹介しながら比較していて、なかなかいいコラムになっている。


近聞遠見:アベノミクスと所得倍増
毎日新聞
 2013年04月06日 東京朝刊
http://mainichi.jp/opinion/news/20130406ddm005070021000c.html


まず、池田首相が所得倍増を考えていた頃のエピソードが興味深い。


 池田勇人が所得倍増計画を着想したのは、岸政権の無任所国務相のころ(1958年)
で、気の合う新聞記者たちとの雑談のなかだった。ある日、記者の1人が、


 「最近は食うことと着ることには不自由を感じなくなったが、住む方がまだまだ苦しい」


 と生活実感を話題にすると、池田がすかさず、


 「しかし、そのよくなり方は大変なもんだよ。君たちの給料だって、10年たてば倍にな
るんだ


と応じた。


 「そんなバカなことが……」


 「絶対になるんだ


 と池田はムキになる。最初は月給2倍論、次第に肉付けされていった。60年7月、首相
に就任、国民所得倍増計画が閣議決定されたのは同年末だ


岩見氏は1958年入社だから、この会話の中にいた可能性はほとんどない。先輩記者から聞いた話なのだろうが、「池田はムキになる」という表現に、筆者の池田首相に対する好意が感じられる。高度経済成長が緒に就いたころの生活実感や、大臣と記者との関係が伝わってくるようだ。


所得倍増計画には、有力政治家やエコノミストが批判的だったそうだが、池田首相のやる気は記者たちに伝わっていたのだろう。


次に話はアベノミクスに移り、この造語を言い出したかも知れない人物として、山本幸三元副経済産業相の名前がでてくる。彼が安倍総理と一緒に議連をつくり、勉強会をしながらアベノミクスが仕上がってゆくいきさつが次のように語られる。



 「2年前、東日本大震災(3・11)のあと、私は直ちに3・17緊急アピールを発表し
て全議員に配った。『復興に20兆円の国債を発行しろ』と。そのまま採用していたら民主
党政権は健在だったが、菅(直人・元首相)も野田(佳彦・前首相)も日銀マフィアに牛耳
られていて、わからない


 そのうち、安倍(晋三・首相)がどこかで『日銀は問題だ』と言ってると聞いて、すぐに
安倍のところに行った。『あんた、本当にもう一回政権をやるなら、“経済の安倍”でやれ。
憲法とか安保はあとだ
』と。


 『議連を作ろう。あんたは会長に』と言ったら、快諾してくれた。そこからアベノミクス
が始まった
んです」


 11年から<増税によらない復興財源を求める会>、<日銀法改正でデフレ・円高を解消
する会
>と次々議連を作り、いずれも安倍が会長、山本が幹事長。岩田規久男、岩田一政、浜田
宏一、伊藤隆敏ら専門学者を講師に招いて1年半、勉強会を重ねた


 今年1月には<デフレ・円高解消を確実にする会>が発足、山本が会長に就く。


 「勉強会の議論が安倍のなかにインプットされている。安倍が一番理解している。勘がい
い。ようやくまともな経済政策になった。日本経済は一気に回復する
。それにしても、20年
かかりましたね」


安倍総理が憲法とか安保より経済を優先させているのは、彼の意見を聞いたからのようになっているなど、山本議員が自分を中心に置いて話をしている感はあるが、いきさつがよく分かる話だ。


そして、コラムは所得倍増は実を結んだが、アベノミクスの行方は議論の渦のなかだとして、こう結んでいる。


笛吹き男・安倍はいまのところ順調、世間も浮かれ気味、しかし、油断は禁物だ。池田はゴル
フ、待合通いをやめ、庭の石を見つめることが多かった
という
。(敬称略)


ゴルフや待合通いもやめて、考え事をすることの多かった池田首相と比較することで、息抜きのゴルフをやったり、連日のように会食を繰り返す安倍総理を、浮かれていると言いたいようだ
しかし、心配ご無用、安倍総理の息抜きや会食は、油断ではなく戦術の一つなのだ。


アベノミクスの次には、安倍総理の祖父である岸総理が成し遂げた日米安保条約改正より、もっと困難で重要な戦後レジームからの脱却というテーマが続いている。安倍総理は挫折を経験した5年半前からずっとそれを考え続けてきたし、ゴルフも会食もそのための手段なのである。


池田首相の所得倍増計画は、ポテンシャルを上げはじめていた日本経済の力をうまく引き出し、10年以内という目標に対し、実質国民総生産は約6年で、国民1人当りの実質国民所得は7年で倍増を達成した。そして、この背景には、岸内閣の成し遂げた日米安保条約により、経済政策に予算を優先的に配分できるようになったことがある。


岸総理は日米安保条約の批准書交換の日に辞意を表明して退陣したが、本当はこのあと「新長期経済計画」を進めようと考えていたし、憲法改正も視野に入れていた。しかし、当時の世論では岸総理は悪者であり、これ以上政権を維持することは無理だった。


安倍総理がやろうとしていることは、まさに祖父岸信介氏の意志を引き継ぐものなのだ。池田首相の所得倍増計画は日本を経済的に豊かにしたが、岸総理が目指していた憲法改正は結果的に遠のいた。安倍総理はその両方を、戦略的にやり遂げようとしているのである。

(以上)


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