隠れ家

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陽が落ちて、窓の外が、少し、静かになった頃、

涼しくなったのを確認して、公園に走りに行った。



やっぱり、終盤は、息が上がって、足を止めそうになる。



だけど、「次の外灯まで」、「あの自動販売機まで」、って

その場しのぎの駆け引きを繰り返して、なんとか最後まで、自分の向上心を繋ぎとめる。



帰り道に、駅の近くの信号で、

恋人たちが別れを惜しんで抱き合っているのを見た。


一瞬、戸惑ったけど、

邪魔しないよう、わざと、ゆっくり視線を逸らした、ら、

隣にいた女性と目があった。


同じことを想っていたみたいで、小さく笑ってくれた。



私は、東京の、奔放で無関心なところが、好きで、


多分、ちょっと、苦手だ。




東京は、きっと、恋人の隠れ家だね。