厚生労働大臣・厚生労働省への要望書
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ゼプリオン死亡事例の中から4つほど処方の解説を行ってみたい。

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事例1:併用薬アリピプラゾール,酸化マグネシウム,クエチアピンフマル酸塩,ニトラゼパム,ブロチゾラム

まず基本として理解して頂きたいのは、統合失調症薬の使用用量は、D2受容体の60~80%を占有する量が設定されているということです。ゼプリオンのインタビューフォームを確認したところこの薬も例外ではなかった。
次の画像は、服薬前のドーパミンD2受容体のようすと、ハロペリドール(セレネース)24㎎の服用した場合のドーパミンD2受容体のようすである。
ハロペリドールは常用量の2倍でほぼドーパミン受容体を完全ブロックすることが判る。

ハロペリドール

つぎは、メジャー新薬のそれぞれの受容体の50%を占有するために必要なそれぞれの薬物の血中濃度である。
数値が小さいほど、少ない量でそれぞれの受容体を占有するということ。
これらの薬も、このD2受容体の40~60%占有する用量が設定されているということ。

占有率

ちなみにゼプリオンはこの表で言うRisperidone(リスパダール)の代謝成分である。
リスパダールという薬は、リスペリドンという成分だけでなく、代謝成分もまた薬効があるということです。

この処方の問題点
1.併用薬の用量が分からないが、統合失調症薬3種が併用されていること。前述したように各薬剤の使用用量はドーパミンD2受容体を単剤で60~80%占有する量が設定されている。明らかに過剰投与である。
2.併用されたアリピプラゾール(エビリファイ)は特に併用に向かない薬である。表にあるようにエビリファイのドーパミン受容体との親和性はけた違いで、他の薬を追い出してまで自分が結合する。つまり、治験で確認されている薬物動態とは全く違ったものになっている。
3.インタビューフォーム読んでいて重要なことに気が付いたのだが、この薬って水溶性で腎代謝の薬である。向精神薬の長期服用者は時間をかけて耐性作って行くが、そこにいきなり別代謝の薬が放り込まれたことになる。患者の体はそれに対応できなかったのではないか

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事例2:併用薬アリピプラゾール,クロルプロマジン塩酸塩・プロメタジン塩酸塩・フェノバルビタール,オランザピン

表を再度見て頂きたい、リスパダールやオランザピン(ジプレキサ)は、ドーパミン遮断より、セロトニンやヒスタミン、ムスカリンなどの遮断力の方が強い。横浜あたりで今回の件で患者から問い合わせが殺到している病院の院長がCP換算を守れば大丈夫だと言っているが、これら新薬はドーパミンのことだけ考えれば良い代物ではないのだ。

この処方の問題点
1.新薬3剤(ゼプリオン、オランザピン、エビリファイ)の併用。理解不能です。常用量が処方されていたとすれば完全な過量投与。
2.同上
3.同上
4.クロルプロマジン、プロメタジン、フェノバルビタールは合剤、あのベゲタミンである。クロルプロマジンは3剤と同じD2遮断薬、またクロルプロマジンとプロメタジンはフェノチアジン系の薬で他の薬の効果を倍増させる効果がある。フェノバルビタールはGABA神経系に作用する薬で、全ての神経を減弱させます。

死因は心筋梗塞CPK値は5548、正常値の10倍である。
*CPK値とは筋肉(心臓の指標)

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事例3:併用薬ハロペリドールデカン酸エステル注射液,オランザピン,ブロナンセリン,ラモトリギン,炭酸リチウム

この処方は、統合失調症薬(新薬3剤)、それに双極性障害の鎮静薬ラモトリギンと炭酸リチウム、一体何の治療でしょうね。唯の鎮静でしょう。全部、中枢神経抑制剤ですから。

この処方の問題点
1.新薬5剤(ゼプリオン、オランザピン、ハロペリドール、プロナンセリン)の併用。理解不能です。常用量が処方されていたとすれば完全な過量投与。ハロペリドールとゼプリオンだけでD2完全遮断です。
2.同上
3.同上
4.炭酸リチウムとゼプリオンはともに腎臓代謝の薬、血中濃度、腎臓数値を測る必要があるがされていたかは不明。
*炭酸リチウムは一番致死副作用の多い薬

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事例4:併用薬パリペリドン徐放錠,リスペリドン錠,炭酸リチウム,ビペリデン塩酸塩,メキタジン,ロラゼパム,トリアゾラム,エスゾピクロン,ピコスルファートナトリウム水和物,抑肝散,センノシド,テルミサルタン,アロプリノール,フェノフィブラート,メトホルミン塩酸塩,徐放性酒石酸トルテロジン

で、最後に極め付きです。

併用薬のパリペリドン徐放錠(インヴェガ)とリスペリドン錠(リスパダール)とこのゼプリオンは、同じ薬ですから!!!!!

あと8例ほど事例のデータがあるが、これら死亡事例に単剤使用はなし。似たり寄ったりなので解説は止めます。
ところで、これ一人の医師がやったのですか?じゃなければ、日本にはこんなデタラメ医師が大勢いることになる。
まさか、誰もこれを正当化なんてしませんよね。

これ製薬会社の責任より、医師の責任の方が遥かに大きいです。


こうした処方の問題点を理解するための勉強会を開きます。
市民の為の向精神薬の知識(18人限定)5月24日相模大野

病院・施設での薬物治療による人権侵害問題を共に考えましょう。
薬物による人権侵害を考える会5月25日相模大野

また、お近くで、向精神薬の中毒症状で苦しむ方々の支援を共に取りくんで頂ける医師、医療者、福祉の皆様の参加を切望しております。

よろしくお願いいたします。